23卒メンバー山蔦おすすめの劇作家をご紹介!
ChatGPTで要約する
こんにちは、GP山本です。
今回は『内定者紹介コーナー』として、山蔦さんに記事を書いていただきました。GP新メンバーのデビュー記事をぜひご覧ください!
皆さま初めまして!2023年4月からグローバルプロデュースに入社いたします、山蔦千尋(やまつたちひろ)と申します。 私は大学で演劇を学び、演劇サークルでの公演の運営を行うなど、演劇に多く携わってきました。
そこで、演劇好きな私から今回はおすすめの劇作家、チェーホフの魅力と作品の楽しみ方をご紹介させていただきたいと思います!
チェーホフご本人もとても魅力的な人物ですが、なにより戯曲には読み方によって感じるものが変化する、万華鏡のような魅力があります。
そもそも、劇作家・戯曲とは?
皆さん、「劇作家」や「戯曲」という言葉に馴染みはあるでしょうか?あまり聞いたことがないという方も多いのではないかと思います。
「劇作家」とは、文字通り、演「劇」の「作家」のことで、つまり演劇の脚本・台本・戯曲を書く人のことです。
また「戯曲」は、演劇の上演に直結する台本のようなものではなく、文学作品として鑑賞されるものをさすことが多いです。
チェーホフにも、戯曲として書籍化され、現代に残っている作品が数多くあります。
実は医者だった!ハイスペック劇作家チェーホフ
さて、ここからいよいよチェーホフのご紹介です。
チェーホフの正式な名は、アントン・パーヴロヴィチ・チェーホフ。
1860年に南ロシアのタガンローグで生まれ、1904年に44歳という若さで亡くなっています。戯曲としての代表作は、『かもめ』『ワーニャ伯父さん』『三人姉妹』『桜の園』など。日本でも、様々な形で度々上演されてきました。ちなみに、チェーホフの作品は役者の技量がかなり試されるといわれています。
今回は、劇作家としてご紹介していますが、チェーホフは同時に小説家であり、そしてなんと医者でもあるのです。文理両立。かなりハイスペック!人当たりもよかったそう。
医者としても働き、若くして亡くなったチェーホフですが、残した作品数は膨大です。44年の間に書いた小説の数は580篇、戯曲は17本。1年に100本近く作品を書いていた年もあり、単純計算で3、4日に1本のペースだったことになります!
息をするように書かれていますね……。かなりの精神力を備えていたのではないかと想像します。尊敬です。
チェーホフ戯曲のおすすめ
チェーホフ戯曲のおすすめポイントはズバリ、リアルな登場人物です……!
チェーホフ作品の登場人物は、現代の日本にいる私でも共感でき、どこか近くに存在しているように感じられる人々ばかり。少し変わった人物や人物たちが持つ欠点も含め、リアルで人間味があって魅力的です。
ところで、戯曲や台本を読んだことのある方は、どのような読み方をしていらっしゃるでしょうか?戯曲を読むとなると毎回、私はどの視点で読むべきか迷います。舞台を観るように読むべきか、それとも物語の中での第三者視点で読むべきか、はたまた登場人物の視点で読むべきか……。
しかし、チェーホフの戯曲では、圧倒的におすすめの読み方があります。それは、登場人物それぞれの視点で読むことです!つまり、人物を変えて何度も読む。これが私のおすすめの読み方です。人物を変えると、同じ出来事でも受け取り方が変わってくるのです。
例えば、
戯曲『三人姉妹』を、三人姉妹の長女オリガの視点から読むと、兄弟アンドレイの妻であるナターシャは、平穏な生活を乱す存在に見えます。
ですがナターシャの視点で読むと、母として味方のいない家の中で子育てをしているため、強く生きなければ仕方がないと共感し、なんならナターシャを応援したくなります。また、子育てで大変なナターシャの目線からみると、夫アンドレイは、結婚後どんどん頼りなくなってしまう存在です。
一方で、アンドレイ視点から読むと、家族の期待を一身に受け、期待されているものを自分も理想とし、期待に応えたいと思いつつも、なかなか結果が出ないジレンマ、苦しさが感じられます。これもまた共感できてしまうのです……。
このように、チェーホフ戯曲は人物ごとに視点を変えて読むことで、1冊を何度でも楽しめます!!
最後に
さて、ここまでチェーホフとチェーホフの作品についてご紹介して参りました。まだまだチェーホフと作品の魅力は沢山ありますが、皆さまに少しでも魅力が伝わっていると幸いです。
気になった方は是非チャレンジしてみてください!