企業の節目を祝う!50周年・100周年イベントの成功の秘訣
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企業の80%が10年以内に解散すると言われている中、50周年・100周年にを祝うことができる企業というのはそれだけで優良企業の証であり、意義深いことです。そんな節目の年だからこそ、お祝いイベントをすることが欠かせません。節目のイベントは単に祝うだけでなく、ブランディングや思い切った施策に取り組みやすいタイミングでもあります。今回は50周年・100周年という周年イベントの中でも特別なタイミングのイベントについてお話してきましょう。
周年イベントとは
周年イベントとは節目の年に開催するお祝いイベントです。5周年、10周年などキリのいいタイミングで行われることが多くなっています。長年営業を続けられている企業はそれだけで信頼性が高いため、社内でのお祝いだけでなく、外部にアピールすることでブランディング効果を見込むこともできます。
50周年、100周年の企業って何社あるの?
そもそも、日本には50周年、100周年を迎える企業はどのぐらいあるのでしょうか?帝国データバンクの情報によれば、2024年に50周年を迎える企業は18,376社、100周年を迎える企業は2,019社ほどあります。ちなみに日本は世界的に見ても息の長い企業が多く、全世界で100年以上営業している企業の40%以上を占めており、世界一となっています。
50周年、100周年企業の周年事業の特徴
50周年、100周年を迎えるのは並大抵のことではありません。50年前はバブルよりも前ですし、100年前は戦前……激動の世界を生き抜いてきたといえます。そんな荒波を乗り越えてきた企業にはいくつかの共通点、特徴があります。ざっくりと説明しましょう。
知名度がある
事業規模に限らず、長く続いている企業は知名度があるところが多くなっています。BtoBかBtoCかによって知られている範囲は変わりますが、長続きしている企業はそれだけ信頼性が高く、知られる機会が多いと言えそうです。
事業承継がうまくいっている
企業が長く続いていくにあたって欠かすことができないポイントが「事業承継」です。人間の命には限りがあり、企業には必ず事業承継のタイミングが訪れます。事業承継に成功するか否かは企業運営を続けていくにあたって必須条件といえるでしょう。なお、帝国データバンクによれば2024年に50周年を迎える企業は同族企業が多いのに対し、100周年を迎える企業は逆に同族(ファミリー)企業が少ないという結果が出ています。50周年は事業承継1回もしくは創業者が続けているパターンが多いのに対し、100周年は事業承継を2~3度経ているのが一つの理由かもしれません。
時代の流れをうまくくみ取っている
50周年、100周年を迎える企業は世界的な経済危機や戦争など、大きな荒波を乗り越えてきています。例えば、50年前には一般人が使えるほどインターネットは普及していませんでしたし、100年前に至っては太平洋戦争前です。世界情勢も技術も人々の求める商品もめまぐるしく変わる中で生き延びてきたということは、時代の流れを読み、乗りこなすだけの柔軟性としっかりした土台があることの証明といえるでしょう。
50周年、100周年企業の周年イベントで気を付けること
50周年、100周年というのは周年の中でもとびきり特別なタイミングです。そのため、社内はもちろん社外からも注目を集めやすく、そのぶん期待値が高くなります。またとない大きなチャンスだからこそ、活かせるかどうかがその後の企業の方向性を左右するのです。イベントを行うにしろ、各種周年事業を行うにしろ、「何を」「誰に向けて」「どのように」開催するかの吟味と熟慮が重要といえるでしょう。
50周年、100周年イベント・周年事業にはどんなものがある?
世の中の50周年、100周年企業はどのような周年企画を行ったのでしょうか?帝国データバンクの情報から主たる周年企画をまとめると下記のようになります。
● 特設サイトの開設
● 特別記念モデルの制作
● 記念イベント(パーティー)の開催
● 記念ロゴやキャラクターの作成
● 本社・事務所移転
● 記念キャンペーン
これらの企画はどれか一つを選ばなければならないというものではありません。むしろ、いくつかの企画を組み合わせているところがほとんどです。事業規模やBtoBかBtoCかなどによっても選択肢は変わります。
50周年、100周年イベント・周年事業企画の流れ
ここからは50周年、100周年イベントや周年事業の企画の流れを紹介しましょう。
1.『誰のためのイベント/周年事業なのか』を決める
何よりも重要なのが「この周年イベント/周年事業は誰のために行うのか」を決めることです。長年経営を続けてきたならば、そのぶん取引先や関係者が多岐に渡っているはず。対象者が違えばイベントのコンセプトもやるべきことも変わります。「お世話になった皆様に」などの曖昧な設定ではなく、顔が思い浮かぶぐらい明確にするのが大切です。
もちろん、一つだけに絞る必要はありません。「企画Aは社内向け」「企画Bは取引先向け」「企画Cはお客様向け」など分けて考え、それぞれ別に進めるのもひとつの方法です。
2.『何のためのイベント』なのかを決める
対象者が誰かを明確にしたら「何のため」を考えます。イベントの開催目的にはエンゲージメント向上、プロモーション、見込み客開拓、販促など様々なものがあり、目的によって内容も変わってくるものです。「誰のため」と「何のため」がしっかりしていれば芯の通った企画になりますので、この部分は企画をスタートさせる前に固めておきましょう。
3.1,2を元にイベントの規模感、大まかなテーマ・コンセプトを決める
1,2が決まると、自然とイベントの規模感ややりたいことが見えやすくなります。テーマやコンセプトを決め、おぼろげなイメージを少しずつ固めていきましょう。この段階では具体的なコンテンツ内容というより「誰のために、何のために、どんなイベントを開催するのか」が重要です。
4.会場を予約する
コンセプト・テーマが決まったら会場を押さえます。特にリアルイベントは会場によって参加できる人数、できること、イベント全体の雰囲気がガラリと変わります。また、大規模会場は1年以上前から埋まっていることもあるほど人気があり、希望の日程で希望の会場を取るならばとにかく早めに動くことが欠かせません。
5.コンセプトをもとにコンテンツ等企画を練る
会場を押さえたら、具体的なプログラムやコンテンツなどの検討に入っていきます。特別なタイミングのイベントということもあり、やりたいことがたくさん出てくるかと思いますが、詰め込みすぎるとかえって訳が分からなくなることも。最初に決めた「誰のため」「何のため」という軸から外れないよう気を付けながら企画を進めていきましょう。
6.告知する
ある程度企画を練った段階で、告知を開始します。50周年、100周年イベントは注目度やブランディング効果が高いため、一人でも多くの方に周年イベント・周年事業の存在を知ってもらうことがカギ。ティザーサイトなども活用し、当日に向けて社内外を盛り上げていきましょう。
7.準備する
準備を進めていきます。50周年、100周年事業は規模が大きくなりやすく、その分関係者が多くなるため、各所と密接な連絡を取り合いながら進めていくことが大切です。
50周年、100周年イベントの事例
甲子園球場(100周年)
誰もが知っている野球の殿堂、甲子園球場。特設サイトでは歴史を振り返るコーナーの他、様々な野球マンガとのコラボ企画、甲子園球場で起きた名勝負やほろりとくるエピソード写真の紹介、野球にとどまらない甲子園球場のイベント紹介など盛りだくさん。甲子園球場の生きざまともいうべき様子を味わうことができます。
西鉄貝塚線(100周年)
福岡市東部と福岡県新宮町を結ぶ西鉄貝塚線が開業100年を迎え、23日に記念ラッピング電車が運行を開始。100周年のキャラクターを大きく描いた可愛い電車に、地元の保育園児らから歓声が上がった。。#西鉄貝塚線 #福岡 pic.twitter.com/zo7ekX7BUY
— 時事通信映像ニュース (@jiji_images) May 23, 2024
福岡県福岡市東部と新宮町を結ぶ西鉄貝塚線は開業100周年を記念し、記念キャラクターの制作とキャラクターをデザインした記念ラッピング電車を運行しました。電車というインフラの特性を生かしたプロモーションです。
タカラトミー(100周年)
誰もが知るおもちゃ企業のタカラトミーは100周年記念サイトを開設。サイトには100周年記念ロゴをあしらい、代表取締役のインタビューや企業の年表、リカちゃん人形や黒ひげ危機一髪など一世を風靡したおもちゃの紹介を行っています。このサイトのターゲットはおもちゃを使う子どもではなく、おもちゃと共に育ってきた大人たち。100年を超えてきた企業ならではの理念が現れています。
花とゆめ(50周年)
白泉社の少女漫画雑誌「花とゆめ」は50周年を記念し、花とゆめの歴史を振り返る特設サイトの他に歴代の人気漫画の原画などを展示する「花とゆめ展」を開催。また、過去の連載作を含めた「花とゆめ」作品を無料で読めるwebサイトを開設するなど、今までのファンとこれからのファンを掴むための様々な施策を行っています。
千房(50周年)
お好み焼き屋の千房は50周年を記念し、アウトドアメーカーのコールマンとコラボ。アウトドアクッカーと冷凍お好み焼きのセットのプレゼント企画を行いました。この企画のポイントは「お好み焼きをキャンプ地で食べる」という新しい楽しみ方の提案。店舗展開をしているお好み焼き屋がアウトドアでの楽しみ方を提案することで、新たな顧客へのアプローチも行っています。
ハローキティ(50周年)
もはや説明不要なほど、日本を代表するキャラクターとなったハローキティも50周年。特設サイトでハローキティの歴史、過去のアイテム、様々なコラボの紹介、キャンペーンを紹介する他、「HELLO KITTY AR」というハローキティが踊るARアプリをリリース。特設サイトは日本語/英語の2言語対応で世界的なニーズにも応えています。
まとめ
50周年、100周年は迎えられることそれ自体が非常に意義深く、特別なことです。その「特別」をどう生かし、次の50年、100年に繋げていくかが記念事業の成否のカギを握るといっても過言ではありません。地に足を付けつつも飛躍のキッカケになるよう、先を見据えた企画を立てることが大切です。
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