イベント企画の流れと注意点!失敗しないための全チェックポイントを解説
ChatGPTで要約する
イベントは様々な要素が絡み合っており、成功のためには細かな計画が求められます。この記事では企画書作成時のポイントから予算の設定、当日の運営まで、イベント成功に欠かせない実践的な情報を徹底解説します。初めてイベントを企画する時、改めてイベント企画について知りたい時にもぜひご活用ください!
イベント企画とは
イベント企画とは「イベントを実施するための計画や当日の運営などを具体的にまとめた企画」のことを指し、この情報をまとめた資料をイベント企画書と呼びます。イベント企画書は多くの関係者が仕事をするにあたっての指針となる資料のため、「誰が見ても内容が理解できる」ように過不足なく、わかりやすくしておくことが大切です。
なお、イベントには大きく分けて「社内向け」「社外向け」の2種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
社内向けイベント
主に社員や取引先などを対象に行うイベントです。社内表彰式やキックオフ、社員総会などが該当します。社員のモチベーションアップ、従業員エンゲージメントの向上などを目的に行われることが多くなっています。対象が限られるため参加人数や参加者の傾向が分かりやすく、年に一回など継続して開催されるイベントが多いという特徴があります。
社外向けイベント
既存顧客や見込み客、あるいは新規顧客開拓を対象として行うイベントです。ポップアップショップやEXPO、カンファレンス、新商品発表会などが該当します。PR、ブランディングを主な目的としています。対象者が幅広いため、社内向けに比べて参加者が多くなる傾向があります。
リアル・オンライン・ハイブリッドの選択
昨今のイベントを企画するにあたってまず考えるべきなのが「リアルか、オンラインか、ハイブリッドか」。つまり開催形態です。それぞれメリットとデメリットがあり、できることが異なりますので、イベントの目的に合わせて最適な形式を選ぶことが大切です。
リアルイベント
参加者全員が会場に集まる形式のイベントです。参加者同士の一体感、臨場感が強く、熱気を共有しやすく、参加者を集中させやすいのがメリットです。一方で参加者が会場のキャパシティに左右される、交通費や宿泊費がかかるなどのデメリットもあります。
▽関連記事
リアルイベントの開催メリット・デメリット、成功事例を紹介
オンラインイベント
主催や登壇者のみがスタジオに集まり、参加者はオンラインで参加する形式のイベントです。リアルタイムにスタジオから中継する形式と、あらかじめ作成した動画を放映する形式があります。世界中のどこからでも参加できること、会場設営系のゴミが出ず環境にやさしいこと、動画放映の場合は参加タイミングを選べることなどがメリットです。一方、参加者が飽きやすい、盛り上がりの演出が難しいなどのデメリットもあります。
ハイブリッドイベント
リアルとオンラインを掛け合わせた形式のイベントです。ひとつのイベントに対し、リアル参加者とオンライン参加者の両方がいるのが特徴。リアルの臨場感とオンラインの利便性を兼ね備えていますが、それぞれの参加者に合わせた演出が必要になるため、運営面での負荷がかかりやすくなるというデメリットがあります。
▽関連記事
ハイブリッドイベントを開催するには?イベント事例と成功のポイントを解説!
イベント企画のステップガイド
イベントは関係者が多く、また準備に時間がかかるため、様々な要素を把握し織り込んだ企画を練ることが欠かせません。イベント企画というと魅力的なコンテンツやステージデザインなどに意識が向きがちですが、何よりも重要なのは「イベントを円滑に進め、成功させること」です。ここではイベント企画を成功させるために欠かせないステップをご説明していきましょう。
企画書の作成
イベント企画書は「誰でもイベント企画の全体像がつかめる」ように作ることが大切です。when(いつ)・where(どこで)・who(誰が)・whom(誰に)・what(何を)・why(なぜ)・how(どのように)・how much(予算)という6W2Hの要素を全て入れつつ、イメージが掴めるように現状分析や課題、イメージ画像なども盛り込んで作成していきます。
企画書の作成において重要なのは「安定感」と「ワクワク感」です。成功への道筋がイメージできる安定感、イベントが待ち遠しくなるワクワク感が両立してこそ、良い企画書と言えるでしょう。
実際の企画書を紐解いてみよう
実際の企画書はどんな流れで、どんな情報を載せていくのか?弊社が作成した企画書をもとに解説しましょう!
表紙とコンセプト
イベント企画書は『つかみ』が大切です。企画の第一印象を決める表紙と1ページ目はイベントの根幹となる『目的』『コンセプト』を印象づけることが大切です。
会場情報は過不足なく
企画書に載せるべき会場情報はビジュアルだけではありません。収容人数、図面、設備などの『企画進行時に必要になる情報』を過不足なく載せていきましょう。
ビジュアル・言葉の両方に一貫性を持たせる
企画書の役割のひとつが「関係者の指針となること」です。イベント企画は関係者が多い上に準備していく中で様々な変更・調整が生じるため、議論のよりどころとなる存在は必要不可欠。ビジュアル・言葉の両方を使い、指針となる企画書を作りましょう。
予算計画
予算はイベント企画において絶対に外せないポイントです。どんな会社でも、イベントにかけられる予算は限られています。この予算を「どう割り振るか」が腕の見せ所。費用には絶対に削れない項目と工夫次第の項目があるため、バランスを取っていきましょう。ここでは大まかな項目をご紹介します。
会場費
イベント会場を借りるための費用です。様々な予算項目の中で一番先に決まり、費用全体に占める割合が最も大きく、一度決まったら変動しません。会場を決める際は「総費用のうちどれぐらいを会場費に割くか」を考えることも大切です。
人件費
受付などの運営スタッフの他、登壇者や芸能人、パフォーマーなど、関係者にかかる人件費です。イベントの規模が大きくなるほど必要人員が増えるため、大きくなる傾向があります。
企画費
イベント会社などに企画を依頼する場合にかかる費用です。イベントの規模、やりたいことによって大きく変わります。
機材費
音響・照明を始めとした、さまざまな機材のレンタル費です。カメラやトランシーバーなどが含まれることもあります。会場・イベント内容によって変わりますが、ほぼ確実に発生する費用のひとつです。
制作費
イベント中に流すVTRや配布するパンフレット、ノベルティなどの製作費です。
造作・施工費
ステージや待機場所の装飾といった大道具の作成、設置にかかる費用です。
交通費・宿泊費
主に社内向けイベントでかかる費用です。役員などの移動・宿泊だけでなく、表彰式であれば表彰者、カンファレンスであれば登壇者などに対してかかります。
予算は「やりたいこと」と「費用」のバランスが大切です。また、企画を進めていく中で意外なところで費用がかかることもあるため、膨らみすぎていないか常にチェックするようにしましょう。
実施計画と進捗管理
イベント企画は規模が大きく、関係者が多く、準備に時間がかかります。また、実施日が確定しているため、あらゆる項目に明確な締切があります。そのため、実施に当たっては各種進捗や当日の動き等をまとめた実施計画をしっかり作り、常にチェックすることが欠かせません。
当日の進行管理
多くのイベントにおいて、本番はやり直しがきかないリアルタイム進行です。リハーサルがあったとしても、実際にお客さんを入れた本番はその一回きり。そのため、イベントをスムーズに進行させるためのタイムスケジュール、会場の人員配置、トラブルシューティングといった当日用の情報をまとめたマニュアルを作り、関係者が常に参照できるようにしておくことが欠かせません。また、予期せぬ事態に備え、指示ができる責任者を必ず設定しましょう。
成功するためのポイント
円滑な運営の土台を固めたら、いよいよコンテンツなどのワクワクする要素の作り込みです。ここからはより魅力的なイベントを作るためのポイントをご紹介していきましょう。
最新トレンドを盛り込む
イベントには新鮮さと驚きが求められます。特に社員総会や表彰式などの定番イベントはマンネリ化しやすいため、ゲストや演出、コンテンツの内容まで、常に最新のトレンドを取り入れていくことが大切です。最新の演出はアーティストのライブやグローバル企業の大型PRイベント、カンファレンス等で使われていることが多いため、常にアンテナを張っておきましょう。
成功事例を自社に合う形で取り入れる
成功するための近道は成功事例を参考にすることです。企画側はついつい他にはないオリジナリティを求めたくなりますが、イベントの目的はあくまでも参加者を喜ばせること。成功事例を参考にすることで、参加者の満足度が上がる可能性が高くなります。とはいえ、ただ表面的に真似をすればよいわけではありません。魅力的なイベントには明確なコンセプトやターゲットがあります。成功事例が「なぜその演出なのか」を考えることで、自分たちのイベントにふさわしい形で取り入れることが可能になるのです。具体的な取り入れ方については、のちほど事例をもとに解説します。
イベント後の振り返りと改善
より良いイベントを開催していくために欠かせないもののひとつが「イベント後の振り返り」です。企画・運営側は達成感と安堵感からついつい振り返りをおろそかにしてしまいがちですが、すべてのイベントには良かったことと今後改善したほうが良いことがあります。イベントを企画する際に振り返りの日と方法を決めておき、予定に組み込むのがオススメです。ここでは振り返りに役立つフレームワークを2つご紹介します。
KPT
振り返りに特化したフレームワークで、Keep(成果が出ていること)、Problem(解決すべき課題)を洗い出し、分析した上でTry(次に取り組むこと)を検討していきます。分析からスタートし、分析を踏まえて打ち手を考える方法のため、頻度や傾向関係なく、イベント開催後の振り返りに向いています。
PDCA
マネジメントの品質を向上させるためのフレームワークで、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の4つの過程を繰り返していきます。KPTと違い、計画からスタートしているのが特徴です。4半期ごとに開催するキックオフなど、開催頻度が多く、ある程度内容が決まっているイベントに向いています。
イベント企画事例
INNOVATION of iTero 2024(インビザライン・ジャパン株式会社)
インビザライン・ジャパンは歯科医院向けの口腔内スキャナ「iTero Lumina」の新商品発表会を開催しました。主軸は新商品のお披露目ですが、単純に商品の機能を紹介するのではなく、新商品を使用することによる業務効率の向上、歯科業界の変革といった様々な視点からのアピールを行った他、歯科医院同士の交流、歯科の使命と紐づいた「食べる楽しさ」を味わっていただけるフードの提供にこだわりました。
ISUZU Innovation Day / Group Leadership Summit(いすゞ自動車株式会社)
いすゞ自動車株式会社は期待の若手と経営リーダー、それぞれに向けてのカンファレンスイベントを行いました。それぞれのステージに合わせた知識や情報を提供することはもちろん、当事者意識を持ってもらうためにパネルディスカッションやトッププレゼンに工夫を凝らした他、グローバルスタンダードを意識した内容にすることでいすゞ自動車の変化を感じ取ることができるようにしました。
KDDIスポーツフェスティバル(KDDI株式会社)
KDDI株式会社はリアル・オンラインどちらでも参加できるスポーツフェスティバル(運動会)を開催しました。リアル参加者向けには家族で楽しめる競技を用意した他、オンライン参加者用のパブリックビューイングを全国10拠点に設置し、リアルタイムでの競技順位予想やeスポーツなど、オンラインならではのコンテンツを盛り込むことでリアル・オンライン両方の参加者が楽しめる運動会となりました。
JBS DX Shift 2022(日本ビジネスシステムズ株式会社)
日本ビジネスシステムズ株式会社はDXの推進を行うためのオンラインカンファレンスイベントを開催しました。DXの活用方法は事業によって大きく変わるため、個別のサービスを紹介するのではなく、参加者が「DXのメリット」に気づくような内容を心がけました。また、時期的に参加者がオンラインイベントに慣れてきたタイミングだったことから、あえて有名出版社やIT社長の登壇による話題性、VFXを駆使した視覚的インパクトを盛り込み、魅力的なオンラインイベントを演出しました。
まとめ
イベントは多くの関係者と時間、予算を必要とするからこそ、綿密で地に足の着いた、それでいてワクワクする企画を作ることが欠かせません。イベントひとつで会社の業績が一変することもありますし、GAFAなどの姿勢を見ても、ビジネスイベントの重要性はますます高まっていくことでしょう。イメージと現実をすり合わせ、最適な形に整えたイベント企画を創り出すために、ぜひこの記事をご活用ください。