キックオフイベントの目的とは?開催のコツ、成功事例を解説
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キックオフイベントは企業の「年度初めや四半期それぞれの期首に行うビジネスイベント」として定着しつつあります。全社員が一丸となって取り組むためのマインドセットをする機会は企業経営に欠かせません。今回は「キックオフイベント」について、そのメリットや実施方法、成功のポイント、事例などについて解説します。
キックオフイベントとは

キックオフイベントとは期首や年度初めに行う、会社の方針を共有し団結を図るビジネスイベントです。「キックオフ」はもともとスポーツにおいて「試合開始」を意味する言葉ですが、それが転じて「企業が物事を開始するタイミングで行うビジネスイベント」を指すようになりました。
開催時期
キックオフイベントは基本的に年度初めや期首に開催されます。また、年間スケジュールに組み込む定番イベントの他、何らかの新プロジェクト開始時に関係者を集めて行うものもあります。
社員総会との違い
キックオフイベントと混同されやすいのが社員総会で、同じような意味で使われることも多くなっています。ただ、社員総会は「開催時期」を問わないのに対し、キックオフは期首に行われるという違いがあります。企業によっては期首にキックオフイベント、期末に社員総会を行うなど、使い分けているところもあるようです。
キックオフイベントの目的
ここではキックオフイベントの目的についてご紹介します。
企業の経営方針や目標の共有

キックオフイベント最大の目的は「新しい年度や期の開始に合わせ、全社員に経営方針や目標を伝えること」です。社員にとって「自社がどんな方針で、どう動いていくのか」を知ることは欠かせません。メールなどで伝えるのとキックオフイベントで社長直々にプレゼンするのとでは雲泥の差があります。キックオフイベントは社員が目標を意識しコミットするために効果的なのです。
一体感の醸成
多くの場合、キックオフイベントには全社員が集まります。普段別々の仕事をしている社員が一堂に会することにより、「同じ会社の社員」「同じ目標を持つ仲間」といった一体感を醸成することができます。
社員同士のコミュニケーション
キックオフイベントは業務の壁を越えて社員が集まる機会です。普段は仕事に集中していて手が回らない社員同士の「横のつながり」を作ったり、業務外での交流を促したりと、社内の関係性を深めたり風通しを良くするコンテンツを盛り込むこともできます。
キックオフイベントを実施するメリット
ここでは、キックオフイベントを行うメリットを3つご紹介します。
社員に経営陣のメッセージを直接伝えられる

キックオフイベント最大のメリットが「全社員に向けてトッププレゼンができること」です。トップの考えや会社の進む方向を全社員に直接伝えることができるため、社員の会社に対する理解が深まり、従業員エンゲージメントが高まります。
マインドセットの機会になる
キックオフイベントは全社員で目標設定・共有を行う機会を作り出すことができるため、社員の一体感を高め、マインドセットを行うのに最適です。
切り替えができる
会社の仕事は断続的に行われるため、そのままでは区切りや心機一転の機会がありません。キックオフイベントをあえてイベントとして開催することにより「新しい年/期が始まる」という意識を持たせ、気持ちを切り替えるキッカケにすることができます。
キックオフイベントを実施するデメリット
これからキックオフの開催を検討する場合、メリットと共にデメリットを知っておくことが欠かせません。ここではキックオフを開催する際にデメリットになる可能性がある点を紹介します。
業務を圧迫する
あらゆる社内イベントについて言えることですが、キックオフイベントの準備は通常業務とは異なります。キックオフの開催に関わる社員は通常業務とイベント準備の両方を抱えることになりますので、しっかりとしたフォローが重要です。
マンネリ化すると逆効果
キックオフイベントは定番の流れがあり、定期開催されるイベントのためマンネリ化しやすいという弱点があります。マンネリ化してしまうと開催のメリットが実現できなくなるため、注意が必要です。
キックオフイベント自体は収益を生まない
キックオフイベントはそれ自体が収益を生むものではありません。そのため、予算をどのように設定するかが重要なポイントとなります。
キックオフイベントの開催形式
キックオフイベントに全社員参加型の社内イベントのため、会社の規模や支社の場所など、会社の状況によって開催形式を選ぶことが大切です。
リアルイベント
リアルの会場に全社員を集めて開催します。全員が顔を合わせることができるのが最大の強みで、少数精鋭の会社や地域密着型の会社の他、表彰式などと一緒にキックオフを行う場合に選ばれやすい形式です。
オンライン
社長や経営陣のみがスタジオに集まり、社員はパソコンやスマホなどで画面越しに参加する形式です。参加者の場所を問わないため、日本全国、もしくは世界中に展開している企業に向いています。リアルタイムではなく、一定期間いつでも見られるようにするなどの方法もあります。
ハイブリッド
リアルとオンラインを掛け合わせた形式です。例えば、本社社員や役職者はリアル会場に集まり、その他の社員はオンラインなどの方法が考えられます。リアルの臨場感とオンラインの利便性の両方を活かすことができる形式です。
キックオフイベント成功のポイント

キックオフイベントを毎回成功させるために押さえておくべきポイントが3つあります。ひとつずつ解説していきましょう。
開催目的を明確にする
キックオフを開催するにあたって最も重要なのが「開催目的」です。上の方で挙げた目的が基本ですが、企画の際には目的をより掘り下げて具体的にし、その回ならではのテーマを設けることでイベントがグッと締まります。
資料はわかりやすさを最優先にする
キックオフイベントで最も重要といえるのがトッププレゼンです。トッププレゼンのクオリティがキックオフの成否を左右するといっても過言ではありません。だからこそ、プレゼンは「情報を盛りすぎない」「わかりやすくする」ことが大切です。シンプルに分かりやすくを心がけることで、社員の心まで届くプレゼンが生まれます。
社員が参加できるコンテンツを盛り込む
社長がどんなに良いプレゼンをしたとしても、社員が受け身だとキックオフの効果は半減してしまいます。社長や経営陣が一方的に話すだけでは社員が受け身になりやすいため、双方向性のある意見交換タイムを作ったり、チームビルディングコンテンツを盛り込んだりと、社員が自主的に動く内容を盛り込むことが大切です。
キックオフイベントに盛り込む企画

キックオフイベントにはどのような内容を盛り込むのでしょうか?ここでは様々な企画例をご紹介します。
トッププレゼン
キックオフイベントで最も重要なコンテンツがトッププレゼンです。トッププレゼンの成否がキックオフイベントの成否を左右するといっても過言ではありません。会社が大きくなればなるほど、社長が社員に直接語り掛ける機会は少なくなるもの。社長が何を考え、どの方向に行こうとしているのかを伝えることができるトッププレゼンはキックオフに必須と言えるでしょう。
経営計画などの発表
トッププレゼンと同じぐらい重要なのが経営計画や年間目標などの具体的方向性の発表です。トッププレゼンが社員の求心力を高め一致団結を促すならば、こちらは具体的な進むべき方向、短期的なゴールを示すコンテンツ。いわば車の両輪です。
チームビルディングコンテンツ
トッププレゼン、経営計画という基本を押さえたら、社員が積極的に参加できるコンテンツを検討しましょう。チームビルディングコンテンツは新しい期を始めるにあたり、社員同士のつながりを作ったり、団結力を高めるのに役立ちます。
交流会
特にリアル開催する際に効果的なのが交流会です。業務の垣根を越えて交流できるため、社員同士の横のつながりが生まれたり、普段はできない情報交換ができたりと、様々なメリットがあります。
表彰
期末に表彰式がない企業の場合、キックオフに表彰コンテンツを盛り込み、定番コンテンツにするのもひとつの方法です。特にキックオフを年一回行うスタイルの会社に向いています。
著名人のセミナー・講演
規模の大きな会社や、周年イベントと同時開催する場合などにオススメなのが著名人のセミナー・講演です。著名人の経験や知識を直接聞けるのはもちろん、別の視点、別の考え方をインプットする機会でもあるため、従業員エンゲージメントを高めるのに役立ちます。
キックオフイベント開催までの流れ

具体的にキックオフを開催するにはどのような手順を踏めばよいのでしょうか?ここでは大まかな開催手順をご紹介します。
参加者/開催形式を決める
まずはキックオフイベントの参加者を決めます。基本的には全社員が対象になりますが、開催形式によって選ぶ会場が大きく変わりますので、「リアル参加者は何人か」「オンライン参加者は何人か」の目星を付けることが大切です。
会場を手配する
開催形式と参加者の目星がついたら、会場を探して手配します。会場の取りやすさは規模感によって大きく変わり、1,000人以上の会場となると半年、1年前からの予約が必要なこともありますので注意が必要です。
参加者に告知する
会場が手配できたら告知を開始します。告知は早ければ早いほど参加者が予定を調整・確保しやすいため、細かなコンテンツが決まっていない段階でもまずは日時と会場を告知しましょう。特にリアルイベントの場合、参加者が移動手段や宿泊先の確保が必要となるケースもありますので、告知は早くて困ることはありません。
コンテンツ・プログラムを練る
日時と会場が決まれば、コンテンツを練っていきます。キックオフイベントはトッププレゼンや方針発表などの必須コンテンツが多く流れを作りやすい反面、マンネリ化しやすいという弱点もあります。どこに工夫を凝らし、どこで参加者を引き付けるのか?イベント担当者の腕の見せ所です。
開催後アンケートを取る
イベントが無事終了しても、そこで終わってはいけません。必ず開催後アンケートを取り、キックオフの目的が達成できたか、トッププレゼンで大事なことは伝わったか、参加者のモチベーションが上がったかなどをチェックしましょう。定期的に開催するイベントだからこそ、ブラッシュアップの効果が出ているかを常に確認することが大切です。
キックオフイベントの事例
キックオフイベントを実際に開催している企業はどのような取り組みをしているのでしょうか?ここでは弊社がプロデュースを手がけた事例や話題になったキックオフ事例をご紹介します。
次なる50周年を見据え起爆剤となるキックオフイベント(株式会社コスモスイニシア)

株式会社コスモスイニシアは50周年記念イヤーの起爆剤として、周年イベントとキックオフを合わせた社内イベントを開催。個性豊かな社員が会社に誇りを持ち、それぞれの強みを生かして活躍するという思いを込め「Let’s create the Greatest show!」というコンセプトを設定しました。ショー仕立てのステージ造作とプログラムを作り込み、キックオフのポイントをしっかり押さえながらも参加者全員のモチベーションを引き上げるイベントとなりました。
「堅苦しいキックオフイベント」からの脱却(株式会社キューブシステム)

株式会社キューブシステムは「格式を維持しつつ親しみやすいキックオフ(社員総会)」というコンセプトに合うよう、VTRの作り込みやQRコードによるリアルタイムアンケートなどを盛り込んだキックオフを開催。キックオフとしての定番の流れは維持しながら、筆文字演出や表彰者への金名刺プレゼントなど視覚的にワクワクする要素も盛り込んだイベントとなりました。
KOKUYO DIGITAL ACADEMY
コクヨグループ社員向けのデジタル人材教育・実践プログラム「KOKUYO DIGITAL ACADEMY」のキックオフイベントでは作りこまれたVTRからの流れでトッププレゼン、パネルディスカッションを行い、新プログラムへの期待感を高めました。
ヨコハマ未来創造会議
横浜市が立ち上げた「ヨコハマ未来創造会議」は20年・30年先の社会を担う若者が議論し、アクションを起こし、ネットワークを作るための会議体(プラットフォーム)です。この立ち上げを記念したキックオフイベントではトッププレゼンや有識者のメッセージの他、参加者がメッセージを書いたリボンを地球をイメージした球体に巻いていき、ヨコハマ未来創造会議のイメージを理屈ではなく感覚で理解するというワークショップが行われました。
よくある質問
Q:キックオフイベントにはどれくらいの準備期間が必要ですか?
A:規模感にもよりますが、最低でも2~3カ月は必要です。また、数千人集まるリアルイベントなど、会場候補が限られる場合は半年、一年以上前から会場だけでも押さえておくと安心です。
Q:オンラインでも効果的なキックオフイベントはできますか?
A:もちろん可能です!その場合、社長が一方的に話すのではなく、アンケートや投票、コメント投稿、クイズコーナーなど「オンライン参加者がイベントに積極的に参加できるプログラム」を盛り込むことが大切です。
Q:自社主催でキックオフイベントを開催することは可能ですか?
自社の会議室に全社員を集めて開催するキックオフであれば自社主催でも可能です。しかし、全国に支社があったり、社員が数百~数千人を超えていたり、ハイブリッド形式で開催する場合は担当者の負担が大きくなるため、イベント会社に依頼したほうが安心かつハイクオリティなイベントが期待できます。
まとめ
キックオフイベントは企業活動にメリハリをつけ、忙しい業務の中で忘れてしまいがちな原点に立ち返り、心機一転を図ることができます。このキックオフの効果を最大限に発揮するにはイベントとしてのクオリティ、ワクワク感やモチベーションが上がるトッププレゼンなどの要素が欠かせません。定期的に行われるイベントでありながら常に「はじめの一歩」という特性を持つキックオフを活用してみてはいかがでしょうか?
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