エンゲージメント向上施策とは?基礎知識や成功事例について解説!
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ビジネスは時代の流れに合わせて常に新しい視点、考え方、施策が導入されていきます。最近特に注目が集まっているのが『従業員エンゲージメント』や『エンゲージメント向上』等の『エンゲージメント』を意識した施策です。本日は本来の意味とビジネス用語としての意味が少々異なる『エンゲージメント』について、ビジネス領域での使われ方から成功事例まで、基本となる情報をお届けしていきましょう!
エンゲージメント向上とは
『エンゲージメント』の本来の意味
エンゲージメント(engagement)とはエンゲージ(engage)の名詞形です。エンゲージといえば真っ先に思いつくのがエンゲージリング、婚約指輪ですよね。実際、engagementには『婚約』の意味があります。その他、『没頭』『約束』『契約』などの意味があります。
ビジネスにおける『エンゲージメント』の意味
では、ビジネスにおけるエンゲージメントとは一体どういう意味でしょうか?
ビジネス用語のエンゲージメントは『関係者がお互いに愛着を持ち、自発的に貢献しようとすること』を指し、主に『従業員エンゲージメント』と『顧客エンゲージメント』の2つに分けられます。従業員エンゲージメントの場合は企業と従業員が、顧客エンゲージメントの場合は企業と顧客が良好な関係となり、お互いのために自発的に関わっていくと考えるとイメージしやすいのではないでしょうか。
従業員エンゲージメント向上について
注目されるようになった背景
ビジネスでエンゲージメントの話題が出る場合、多くは『従業員エンゲージメント』のことを指しています。現在、日本は少子高齢化、労働人口の減少が進んでいる上、終身雇用制度の崩壊によって従業員の流動性が高まっている状態です。企業にとって『よりよい人材を確保すること』は至上命題であり、そのために従業員エンゲージメントが注目されるようになったのです。
従業員エンゲージメント向上とは
従業員エンゲージメントにおいてカギを握るのが『愛社精神』です。かつて、アメリカのジョン・F・ケネディ大統領は『国があなたのために何をしてくれるのかを問うのではなく、あなたが国のために何を成すことができるのかを問うて欲しい』とスピーチしました。エンゲージメントはまさに『従業員が企業のために何ができるか、自発的に考える状態』を指します。それも義務や命令ではなく、愛社精神や企業への愛着が原動力となる点が重要です。もちろん、企業側は従業員に愛着を持ってもらえるよう、様々な施策を行います。従業員エンゲージメントの向上により、企業と従業員の間に良好な関係性が築かれ、好循環が発生していくのです。
『従業員満足度』『モチベーション』との違い
以前から、企業と従業員の関係性は従業員満足度やモチベーションの視点から語られてきました。この二つとエンゲージメントは一見似ていますが、明確に異なります。
『従業員満足度』は待遇や人間環境が従業員にとって満足できるかを測るものであり、従業員側は受け身です。『モチベーション』はいわゆる『やる気』で従業員は主体的に動きますが、あくまでも自分のためです。
それに対し、エンゲージメントは『会社のため』が根底にあります。従業員と会社の良好な関係、一種のパートナーシップに力点を置いているのがエンゲージメントなのです。
顧客エンゲージメント向上について
顧客エンゲージメントの場合、『企業と顧客の信頼関係』がカギを握ります。
顧客はエンゲージメントが高い企業から商品を購入し、企業はエンゲージメントが高い顧客の意見をより重視する。具体的には、企業は顧客のニーズを組んだ商品制作やサポート、ファン向けイベントを行い、顧客側は積極的にアンケートに協力したり、SNS等で新商品の情報拡散に協力したりといった関係性です。このように企業と顧客がwin-win関係で結ばれ、好循環を生みだすのが顧客エンゲージメント向上なのです。
エンゲージメント向上のメリット
エンゲージメントの向上には、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?従業員エンゲージメントについては、下記のようなメリットが考えられます。
職場が活性化する
従業員エンゲージメントが向上すると、社員が業務に対してより前向きに、ポジティブに取り組むようになります。その結果、積極的な意見交換が行われ、アイデアが生まれやすく実現しやすい環境になり、職場が活性化します。職場の活性化はクオリティにも反映されますので、結果的に提供する商品・サービスも向上し、企業そのものが成長に向かうのです。
社員の定着率が上がる(離職率が下がる)
従業員が退職を検討するとき、その原因が会社の居心地や人事評価といった従業員エンゲージメントの低さに関係しているケースは少なくありません。従業員エンゲージメントが向上すると自然と『退職したくなる理由』が減っていくため、社員の定着率が上がります。しかも、定着した社員が仕事に積極的になり業務成績も上向くため、『この会社で働き続けたい』『働くからには貢献したい』という好循環が生まれるようになるのです。
良い人材を確保しやすくなる
今や、SNS等を通じて企業の評判があっという間に広がる時代です。従業員エンゲージメントが高い会社は就職活動においても評価が高くなり、優秀な人材がエントリーするようになります。さらに前述の通り入社後の定着率も高いため、良い人材が良い人材を呼ぶ仕組みが自然と出来上がるようになるのです。
エンゲージメント向上(施策)のデメリット
エンゲージメントの向上は良いことづくめなのですが、エンゲージメント向上施策はやり方を間違えると効果が出ないばかりか逆効果になってしまう場合もあります。ここではエンゲージメント向上施策における注意点を紹介しましょう。
基本待遇の充実が大前提となる
エンゲージメント向上施策において大前提となるのが『基本的な待遇の充実』です。人事評価や報酬、ワークライフバランスなどの基本的な待遇が整っていない状態ではどんな施策を打っても思ったような効果は得られません。エンゲージメント向上施策はあくまでも基本待遇を整備してから行うことが大切です。
時間と投資が必要
従業員エンゲージメント向上施策は基本的に長期戦です。効果的なエンゲージメント施策を調べるために従業員にアンケートを取ったり、様々な施策のPDCAを回したりと、効果が出るまでには時間がかかるものです。また、施策の内容によっては投資が必要なケースもあります。一朝一夕にできるものではないため、腰を据えて取り組むことが大切です。
一方的な施策は逆効果
エンゲージメント向上施策を行う際に重要なのが『現時点での従業員エンゲージメントの状態を把握し、それに合わせた施策を打っていくこと』です。企業と従業員間の相互理解ができていない場合、効果がないどころか逆効果になってしまう危険すらあります。企業が一方的に行うのではなく、従業員へのヒアリングや施策の説明を行うことが大切です。
エンゲージメント向上施策の成功事例
では、従業員エンゲージメントを高める施策の成功例にはどのようなものがあるのでしょうか?従業員エンゲージメントは評価制度やワークライフバランスといったハード面と従業員の居心地の良さ、愛社精神といったソフト面の両面から成り立っており、どちらが欠けてもうまくいきません。ここではソフト・ハード両面から、成功事例を見ていきましょう。
社内コミュニケーション活性化イベント
現在はテレワークなどが広がったこともあり、従業員同士での交流や雑談がしづらい状態です。そこで役立つのが『社内コミュニケーションを活性化させるため』のイベント。社内運動会のようなレクリエーションイベントはもちろん、キックオフや表彰式に参加型エンターテイメントコンテンツを盛り込むことで社員同士が交流するキッカケをつくることができ、従業員の相互理解を促すことができます。従業員同士のコミュニケーションが活性化すると仲間意識が醸成されるため、団結力が上がり、結果として仕事の効率化にも繋がります。
ただし、交流を強制しすぎると逆効果になってしまうこともあるため、バランスを見ながら設定することが大切です。
子連れ出勤の解禁を含む多様な働き方の拡充
従業員の働き方も多様性が認められるようになりました。在宅ワークや時短勤務はもちろん、育休取得後の従業員に子連れでの出社を認める、社内に託児所を設けるなどの施策を打つことでも従業員エンゲージメントの向上を図ることができます。
ワークショップ・研修制度の充実
エンゲージメントが高い従業員はもっと会社に貢献するためのスキルアップを望む傾向があります。資格の取得サポートや社内ワークショップ、研修制度を充実させることで従業員一人一人がレベルアップし、その実力が企業の業績に反映されるため、win-winの関係がより強固になっていくのです。
GPが推奨するエンゲージメント向上施策まとめ7選!
従業員エンゲージメント施策には「これ」という絶対の正解はありません。それぞれの企業文化、事業内容、従業員の働き方等に合わせてフレキシブルに変えていってこそ効果を発揮します。
ここでは多種多様な従業員エンゲージメント施策の中から、GPオススメの施策をまとめてみました!
1:エンゲージメントを測定する
エンゲージメント施策をするにあたって重要なのが『施策による変化を測定すること』です。どんなに施策を打っても、客観的に成果を測定できなければ施策が上手くいっているかどうかもわかりません。
エンゲージメントの測定には『エンゲージメントサーベイ』という診断ツールがよく用いられています。そのほかにも定期的なアンケートなどを使用し、変化が数字で見えるようにしておくことが大切です。
2:イベント等で企業理念やミッション、ヴィジョンを浸透させる
従業員エンゲージメントの主要要素のひとつが愛社精神です。愛社精神を育むためには企業理念やミッション、ヴィジョンを見せ、理解・共感を得ることが欠かせません。これは紙で配ればOKというものではなく、キックオフや社内イベントで折に触れて形を変えて伝え続けることが大切です。
3:従業員に定期的な課題のヒアリングを行う
従業員エンゲージメントを高めるためには『従業員が何を問題に感じているか』『従業員のコンセンサスを得られているか』といった、従業員視点での意見が欠かせません。施策を打つ際には従業員にヒアリングを行い、適切な施策が打てているかを確認することが大切です。
4:ワークライフバランスを拡充する
従業員エンゲージメントはその名前から精神的なものが主体だと思われがちですが、土台には『従業員の働きやすさ』があります。従業員が気持ちよく働けるようにワークライフバランスを整える、休暇制度を整えるのも立派なエンゲージメント施策なのです。
5:評価制度を見直す
ワークライフバランスと同様に重要なのが評価制度です。会社への貢献が適切に評価に反映される会社であれば、自然とエンゲージメントが高まるものです。評価制度に不透明なところがある場合は早急にわかりやすく改善し、誰もが納得いく制度にしましょう。
6:適材適所に人材を配置する
従業員ひとりひとりを能力が活かせるところに配置するのも立派なエンゲージメント施策です。評価制度同様、『なぜその人材がそこに配置されたのか』の納得いく理由を公開することで従業員は働きやすくなり、従業員エンゲージメントが向上します。
7:社内コミュニケーションを活性化させる
従業員エンゲージメントに深く関わる要素のひとつが仲間意識です。会社に信頼できる仲間が集まっている、協力して仕事に取り組みたいと思える環境は従業員のやる気を引き出し、生産性を向上させ、アイデアを生み出す源泉となります。そのためには社内コミュニケーションを活性化させ、従業員同士がお互いをしっかり知り合うキッカケを作ることが欠かせません。飲み会には賛否両論がありますが、社内イベント内に交流企画を入れる、雑談時間を設けるなど、コミュニケーションしやすい環境を作ることで仲間意識が生まれるようにすることが大切です。
まとめ
人口減少時代に入り、優秀な従業員の確保が問題となる時代において、従業員エンゲージメントの向上は企業の成長にダイレクトに関係する重要な議題です。ひとつひとつの施策は一朝一夕に効果が出るものではありませんが、着実に進めていくことが最終的には企業の土台を強くすることに繋がるのです。