新車発表会もオンラインへ移行。華やかな演出はデジタルでどう変わる?
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こんにちは!GPの藤原です!
新車発表会は、自動車メーカー各社が渾身の新製品を世の中に発表する、非常に重要なイベントです。自社の新製品にスポットライトを当てるため、これまでに世界中の企業があらゆる工夫を凝らし、数々の華やかな舞台を作り上げてきました。
しかし2020年、新型コロナウィルス感染拡大の影響を受けて、ほとんどのメーカーが新車発表会の開催手法を変更。オンラインを基本とし、映像コンテンツの発表やライブ配信を軸としたプログラムを模索しながら実施しています。
今回は、2020年以降に自動車メーカー各社が実施している新車発表会の手法と合わせて、私たちが実際に手掛けた新製品発表会のプロデュース事例を交えながら、オンライン化によってどのような訴求が可能となるのか、ご紹介したいと思います。
2020年、新車発表会はオンラインでこう進化した
昨年、自動車メーカー各社はさまざまな工夫を凝らしてオンライン新車発表会を実施してきました。ここではいくつか、代表的な例をご紹介いたします。他にもたくさんのアーカイブがありますので、気になる方はぜひ探してみてください。
日産「日産アリア」新車発表会(2020年7月)
夏に発売された「日産アリア」の新車発表会は、YouTubeのプレミアム配信で行われ、現在もアーカイブ動画を視聴することが可能。ライブ配信を行うのではなく、作り込んだ映像を一斉配信することで、生放送のリスク回避にもつながります。
ドローンによる臨場感のある撮影、プロジェクトマッピングなどを利用し、映像コンテンツならではのリッチさを上手く活かしている事例といえるでしょう。
トヨタ「新型シエナ」「新型ヴェンザ」新車発表会(2020年5月)
米・Toyota Motor North America(TMNA)は、“Stay Home”“From Home”をキーワードとして、本社オフィスと役員の自宅を中継でつなぎ、発売する新車の紹介動画を配信。役員が自宅の前に停めた新車を紹介するという、新しい形の試みです。発表動画だけではなく撮影の裏側なども合わせて配信しており、今までにはない新鮮さのある新車発表のコンテンツとなっています。
マクラーレン「ジュネーブモーターショー2020」(2020年3月)
世界的な自動車ショーである「ジュネーブモーターショー」も中止となり、はじめて各社がオンラインにて新車発表を行っています。マクラーレンは本社オフィスに新車を並べ、自社のYouTubeチャンネルでライブ配信を実施。
中継ではプレゼンターだけではなく、社員も総出で出演しているのが印象に残ります。派手な演出は少ないものの、時流に合わせて配慮がなされた発信となっています。
オンライン/デジタル化によるメリットとは
各社のオンライン新車発表会の様子からもわかるように、リアルからオンラインに移行し、デジタル要素を活用できるようになったことで、デメリットだけではなくメリットも生まれています。こうしたメリットを活かした新車発表会の演出が、今後は当たり前となっていくでしょう。
1)人数や場所の制約がなくなる
これまでの新車発表会は、基本的に限定されたプレス向けに行われていました。リアルの場に招待する形で行われており、参加できる人数も限定されていたでしょう。しかしオンラインであれば制限は一切ありません。「場所」や「人数」の制約が取り払われた発信が可能となります。
2)一般ユーザー向けのアプローチができる
プレスを通した発信だけではなく、一般ユーザーに直接アプローチすることが可能になりました。プラットフォームによっては、ユーザーと直接コミュニケーションを取ることもできます。
3)表現、演出の幅が広がる
CGなど映像の表現方法を取り入れることによって、リアルな舞台上ではなかなか実現が難しかった演出が可能となりました。さまざまな手法によって、新車の魅力を最大限に引き出すことができます。
当社制作事例:CGなどを活用して新製品の魅力を多方面から訴求
では具体的に、オンラインでどのような演出ができるのか。ここでは当社が制作を担当した、あるメーカーの新製品発表会の事例をご紹介します。
■機器メーカーA社/新製品発表会
1)プレゼンテーションの演出
役員のプレゼンテーションスライドを、近未来感のあるCGで作成。新製品の魅力をよりわかりやすく伝えると共に、エモーショナルな印象を与える演出によって、よりプレゼンテーションに引き込む演出を加えました。
2)見る人を飽きさせない工夫
リアルな会場と違い、オンラインコンテンツを集中して見てもらうにはそれなりにハードルがあります。ただ一つの画面で役員が話している映像を配信するのではなく、カメラのスイッチングやフローティングモニターなどの技術を使い、映像に動きとメリハリをつけました。
3)バーチャルならではの映像体験
VFX(Visual Effects)やCGなどの技術を活用し、よりリアルな映像を制作。見応えのあるコンテンツによって、バーチャルならではの映像体験を追求しました。さまざまな視覚効果を加えることで、新製品の魅力を多方面から訴求しています。
どうなる? これからの新車発表会
これからもしばらく、大型イベントの開催自粛期間は続いていくでしょう。自動車業界の新車発表会のみならず、多くの企業が、これまでリアルで実施してきたイベントの開催手法変更を余儀なくされていることと思います。
しかしこの機会をプラスに捉え、オンラインだからこそ可能になったこと、バーチャルならではの可能性を追求して、自社製品の新たな訴求方法を模索してはいかがでしょうか。