文化庁展開「メディア芸術×文化資源 分散型ミュージアム」
目次
ChatGPTで要約する
メディア芸術×文化資源 分散型ミュージアム
文化庁が展開している「空港等におけるメディア芸術日本文化発信事業プロジェクト」をご存知でしょうか?
その名の通り、国内の空港10か所で順次展開されているアートイベントです。
『メディア芸術×文化資源 分散型ミュージアム』と銘打ち、空港ごとに異なるテーマ・内容が展開されています。
今回は一連のプロジェクトの中から、令和2年2月1日~7日に羽田空港で開催されていた『Japan Media Arts Distributed Museum ETERNAL ~千秒の清寂』展をレポートします!
会場となる羽田空港は、イベントに合わせて鳥居のオブジェが。
オブジェの上の近未来的なイルミネーションが素敵ですよね!
通路もこの通り、まるで花が咲いているかのようにイルミネーションが点っています。
その通路の奥へ進むと……
こちらが入口です。なんとなく近未来、SF的な雰囲気ですね!
会場が羽田空港の国際線ターミナルの4Fにあるため、解説パネルも英語が最初に書かれています。
解説によると、この展示は「1000秒の清寂という時空」を4つのテーマで表現したデジタルインスタレーション&プロジェクション作品展とのこと。
説明だけだと何のことやらさっぱり?なので、実際に中を見てみましょう!
intangible film(2020)
こちらの真っ赤なレーザーが飛び交う空間のタイトルは「intangible film」。
千本鳥居で有名な京都の伏見稲荷をモチーフに、神域をレーザーで表現しているそうです。
確かに、レーザー光が飛んでいるだけなのに、空間が切り取られているような感じがするような……。
Moment in Composition–麒麟紋曼荼羅–
続いてのコーナーは『Moment in Composition–麒麟紋曼荼羅– 』。
麒麟紋章の円の技法をデジタルに盛り込み、円の組み合わせで曼荼羅を表現しています。
一見、曲線で描かれているように見えますが、全て『円』だそうです!
真っ赤な世界とは異なる、厳かな雰囲気が漂います。
Fragments [Airport version]
続いてはFragments [Airport version]。
鴨長明の『方丈記』の一節を書にしたためたものを映像表現にし、さらに言葉を分解・再構築したサウンドを重ねたものです。
映像にBGMを合わせる形式はよくありますが、
『言葉を分解・再構築したサウンドを重ねる』という点がまさにデジタル。
Stillness [2020]
最後はStillness [2020]。
京都建仁寺をフォトグラメトリー技術により三次元化したデータを「点」の集合にし、展示空間の環境情報によってリアルタイムに様子が変わるデジタルアートに仕上げているそうです。
写真の要だった景色が点の集合になり、ダイナミックに動いていきます。
このほかにもデジタルらしい「0」と「1」をモチーフにした映像や海と正円を合わせた映像など、様々なデジタルアートが展示されていました。
ちなみに、この展示会には先日ご紹介した『MUTEK.jp』が大きく関わっています。
▷MUTEK.JPレポート記事
MUTEK.JPで披露された技術を世界に向けて発信する場にもなっていました。
日本古来の文化と最新のデジタル技術を掛け合わせた、新しい映像表現の世界。
VRやARとはまた異なった近未来的、SF的な雰囲気をたっぷり味わえる展示会でした!