ハリウッドを猛追する中国映画市場の進化
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こんにちは、GP外村です。
皆さま、最近はいかがお過ごしでしょうか?
この頃、休日は家にいる時間が増え、ネットで映画を見ることも多くなってきているのでは ないでしょうか。
ところで……
突然ですが、最近、中国映画は見ましたか?!
中国映画って、意外と見る機会が少ないですよね。
情報もあまり入ってきていないように思います。
しかし、最近の中国映画産業の躍進ぶりは物凄いです。映画の本場、ハリウッドに迫る勢いです。
映画館もこの数年で急増しています。
日本のスクリーン数は約3,500ですが、中国はなんと約48,000。
さらに、年間興行収入もけた違いです。
日本の映画市場における年間興行収入は、だいたい2,500億円前後で横這い状態なのに対し、中国は既に1兆円を超えました!
ちなみに年間興行収入の世界一はアメリカですが、1兆2,000億円ぐらいです。
下手するとハリウッドを抜いちゃうわけです。
もう、中国はアメリカと並び立つ、地球上で一番の映画王国とも言えるのかなと思います。
そんな躍進を続けている中国映画産業。
今回は躍進の礎となった『中国映画史上に名を残す、名作映画』を日中映画祭実行委員会のメンバーとして、いくつかご紹介させていただきます。
日本にも少林寺ブームを巻き起こした『少林寺』(1982)
1982年上映された、中国武術の代表格として名高い少林寺を舞台にした映画です。
この映画を期に、中国本土はもとより、日本などでも少林寺・少林拳ブームが巻き起こりました。
また、本作はカンフーキングと言われたリー・リンチェイの映画デビュー作品です。
リンチェイの他にも、ユエ・ハイ(于海)やフー・チェン・チャン(胡堅強)などの本物の武術家を使い、すべてスタントなしで撮影されたと言われています。
この映画を皮切りに、中国映画史は本格アクション映画がどんどんと制作されていきます。
中国で社会現象となった『紅いコーリャン』(1987)
1987年製作の中国映画。
中国著名監督、張芸謀(チャン・イーモウ)の初監督作品でもあり、現在では超ベテラン女優、鞏俐(コン・リー)の映画デビュー作品です。
この映画は、国外で大きな反響を呼んだだけでなく、中国国内では賛否両論が巻き起こり、「『紅いコーリャン』現象」と呼ばれるほどになりました。
中国映画史の中でも時代を画する作品の一つだと言えるでしょう。
また、1988年のベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞したほか、百花奨・金鶏奨でも最優秀作品賞を受賞しています。
もっとも印象的なのは、「紅(あか)」を基調とした鮮烈な映像美です。
強烈な色彩を強調した映像スタイルは、後の張芸謀(チャン・イーモウ)監督の作品にも多く見られます。
社会問題に切り込んだ『一瞬の夢』(1997)
1997年の中国・香港合作のドラマ映画作品です。
1998年のカント三大陸映画祭にて、金の気球賞(グランプリ)を受賞しました。
監督兼脚本のジャ・ジャンクー氏はノンフィクション作品を 得意としています。
当時「社会の底辺」と呼ばれる人たちにフォーカスした映画がなく、 この作品が世に出た時は大きな話題になりました。
全編終了後、心に残る曇がいつまでも払拭できなかったほどです。
各映画賞を総なめにした『グリーン・ディスティニー』(2000)
2000年の中国・香港・台湾・米国の合作武俠映画作品です。
名立たるキャストが集結し、第37回金馬奨では最優秀作品賞、最優秀アクション設計賞ほか全6部門を受賞。
第20回香港電影金像奨では最優秀作品賞・最優秀監督賞など8部門を受賞、第73回アカデミー賞では外国語映画賞など4部門を受賞という、中国73年映画史上初の輝かしい受賞歴を持っています。
中国軽功の動きを、ワイヤーアクションの技術で表現し、絵巻物のような美しい映像と組み合わせたことで、中国映画アクション技術の素晴らしさを世界中に示しました。
この新しいタイプのアクション映画の影響は、以後中華圏で制作されるアクション映画に色濃く反映されただけではなく、世界の映画でワイヤーアクションの技術が使われるきっかけになったとも言われています。
中国映画の興行成績を塗り替えた 『HERO(ヒーロー)』 (2002)
2002年の中国香港・中国大陸合作によるアクション映画です。2003年に日本、アメリカでは2004年にも上映されました。
初登場週の映画興行成績1位を達成した記録をもつ、豪華なキャスト、美しい色彩が話題を呼び、中国映画の興行成績を塗り替えました。
また、第22回香港電影金像奨では最優秀撮影賞をはじめ7部門で受賞しました。
さすが張芸謀(チャン・イーモウ)監督の作品であり、視覚のインパクトは絶大です。
独特の語り口が人気を博した『イノセントワールド -天下無賊-』(2004)
2004年公開の中国映画です。
監督・脚本は馮小剛 (フォン・シャオガン)氏です。
アンディ・ラウ、レネ・リウ、グォ・ヨウ、3人のスターを起用し、チベットを出発した 列車の車内で展開される泥棒たちの攻防を描いています。
汚れなき世界を夢見る一人の青年、その青年の純粋な夢を守るため、命を落とすことになってしまった泥棒夫婦。
悪は何なのか、善は何なのか、自分の周りで恐ろしい事件が起きているのも知らずに、笑顔でこの世界を見ている青年の姿を見ると、涙が止まらなかったです。
馮小剛 (フォン・シャオガン)氏の物語の語り方の絶妙さがふんだんに体験できる映画です。
中国革命史をなぞる意欲作『さらば復讐の狼たちよ』(2010)
2010年の中国映画。監督・主演はチアン・ウェン氏。
作品中に登場する中国革命史をなぞるような描写の数々が中国社会を風刺していると話題になり、公開当時、中国映画歴代興行収入No.1となりました。
製作費1億3,500万ドルをかけた超大作 『グレートウォール』(2016)
2016年製作の中国・米国合作映画。
万里の長城を舞台に繰り広げられる壮絶な戦いを描いた歴史戦争アクション映画です。
チャン・イーモウ監督、マット・デイモンが主演を務めました。
製作費1億3,500万ドルをかけた超大作、中国で撮影が行われた映画の中で最高額の予算で製作された映画とも言われています。
また、万里の長城での撮影は許可されなかったため、スタジオ内に三つの壁のセットが組まれて、CG技術を使い、撮影が行われました。
映画の進化に学ぶイベントの進化
1982年から現在、中国映画は様々な模索をしながら、技術を磨き、確実に成長を遂げています。
ハリウッドとの合作、日本との合作も今後益々増加されていくと思われます。中国を中心に、世界を巻き込みながら映画界は発展していくのかもしれません。
映画はある意味で、イベントと共通している部分が多くあると私は思っています。
事前の計画から本番の撮影まで、一人一人が責任を持って仕事に関わることで良い作品が生まれます。
また、映画の中に、イベントにも使えるヒントや要素が沢山詰まっています。
オープニングVTRのシナリオ、会場装飾の色使い。
更には、コロナウイルスが世界の映画業界に打撃を与えている昨今、弊社が取り組んでいるLIVE CONVENTIONのCGプラン等々…
私自身、自分を磨き上げる期間として、中国映画からも改めて沢山のインプットをし続けようと思っています。
今だから、できる事。今だから生まれるInnovativeなヒントとして、是非、中国映画も注目してください。
この今の感性が未来の映画に反映され、リアルイベントとして中国映画祭に関わっていくのがとても楽しみです。