百人一首を美味しく昇華。カクテルで魅せる琵琶湖ホテルの技。
目次
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みなさんこんにちは!GPの宮永です。
突然ですが“5月27日”って何の日が知ってます?
実は“百人一首の日”なんですって。
平安貴族に一大ムーブメントをもたらしたロマンチックエンターテイメント、百人一首。そんな百人一首をフューチャーした琵琶湖ホテルのカクテルが超素敵!!イベントドリンクの参考にしたい!
ということで、今回は琵琶湖ホテルで巻き起こる、百人一首を魅力的に仕上げるエンタメ感満載のアイデアを一緒にチェックしましょう!
5月27日は百人一首の日
まず最初に、ちょっとした雑学のお勉強。
5月27日が『百人一首の日』と呼ばれる所以についてお話ししましょうか!
日本初の百人一首は藤原定家によって作られた“小倉百人一首”です。藤原定家が親友の宇都宮入道蓮生に頼まれて「古今和歌集」と「新古今集」から百人の代表的な和歌を選び、書写されたものがこの“小倉百人一首”だったんですね。
このことについては藤原定家の日記である「明月記」に記されているのですが、この記述の日付が文暦2年5月27日だったんです。
そう、5月27日の百人一首の日は、藤原定家の「明月記」に記された“小倉百人一首”についての記述の日付からきていたんです。本日も一つ賢くなりました!
琵琶湖ホテルで行われる百人一首な企画
漫画「ちはやふる」ムーブメントにより、百人一首が話題になったのは少し前(いや、結構前?)。しかし、ブーム以降も百人一首人気は上々で、未だ各大会で熱戦が繰り広げられているんですね。そんな百人一首ガチ勢のガチイベントが5月27日に集結する中、なんとも優美で雅やかな、そしてスタイリッシュな百人一首企画を発見。
それが、現在琵琶湖ホテルで行われる百人一首をテーマにしたこちらの企画「バーベルラーゴ オリジナル百人一首カクテルフェア」。
見るも優美なこちらのイベント。琵琶湖ホテルはこれまでにも定期的に百人一首をテーマに据えた企画を開催しており、今回はカクテルをテーマにイベントを行うとのこと!
気になる百人一首カクテルがこちら
さっそく、カクテルからご紹介しましょう!
琵琶湖ホテル2階「バー ベルラーゴ」で提供される「百人一首カクテル」は、名前の通り百人一首の歌をカクテルで表現するという斬新なもの。期間によってメニューが変わり、これまで全100首のうち37首までカクテルの創作済みと、なんだかシリーズ物みたいで心ときめきます。次回作はどんな一句なのかしら……なんて教養ある人は思うでしょうし、これまで百人一首の“ひゃ”の字も知らなかった人も、このカクテルが日本文化の扉を開いてくれるなんてことも……?
せっかくなので、今までにどんなカクテルが打ち出されてきたか一部をご紹介。
これがテーマに沿っている上にストーリー性があって良いんです!
【つのる恋心や早春の情景を色鮮やかなカクテルで表現】
男女川(みなのがわ)¥1,400-
「つくばねの 峰よりおつる みなの川 こひぞつもりて 淵となりぬる」【歌番号13 陽成院】
『山のいただきから流れ落ちる男女川が、細々とした流れからだんだん深い淵となるように、最初はほのかだった私の恋心も、次第につのって、今では淵のように深くなっている。』
だんだんとつのる恋心を、色とりどりのリキュールの重なりで表現しました。境目の繊細な色合いが、恋する気持ちの複雑さを思わせます。美しい色の層を作り上げるバーテンダーの技が見ものの一杯です。(文章:プレスリリースより引用)
逢坂(おうさか)の関 ¥1,800-
「これやこの 行くも帰るも わかれては 知るも知らぬも あふ坂の関」【歌番号10 蝉丸】
『これがあの、京から出ていく人も帰る人も、知り合いも知らない人も、皆ここで別れ、そしてここで出会うという逢坂の関なのだなあ。』
大津と京都の境である逢坂の関のそばに、作者の蝉丸は庵を結んでいたと伝えられています。まろやかな緑色で早春の山道を、傘のガーニッシュで行き交う旅人をイメージ。出会いと別れの季節に捧げるカクテルです。
雲のいづこに ¥1,800
「夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ」【歌番号36 清原深養父】
『夏の夜は、まだ宵の時分だと思っていたら、もう明けてしまった。月は雲のどこのあたりに宿をとっているのだろうか。』
すぐに明けはじめてしまった夏の夜の短さに驚いている心情を、さらりと表現した歌。明け方の空を神秘的な紫色で表現し、雲に見え隠れする満月をグラスの縁にあしらいました。歌の洒脱な雰囲気によせて、さっぱりとした味わいのカクテル。(文章:プレスリリースより引用)
見せばやな ¥1,400
「見せばやな 雄島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色は変はらず」【歌番号90 殷富門院大輔】
『あなたに見せたいものです。雄島の漁師の袖でさえ、波にさんざん濡れても色が変わらないというのに、私の袖は血の涙で色が変わってしまいました。』
つれない恋人に辛い気持ちを切々と訴える歌。カクテルにリキュールを加えると、海のような澄んだブルーから刻々と色が変化していきます。涙にくれる作者の袖の色のように。(文章:プレスリリースより引用)
【6月4日まで! 今だけ楽しめる、季節百人一首カクテル】
過去のカクテルをいくつかご紹介しましたが、やっぱり気になるのは今飲めるものですよね。見た目の美しさは勿論のこと、途端に百人一首の時代へタイムトリップしちゃいそうな奥深い味わいは飲んでみないとわからない。そこで、現在やっているベルラーゴさんのメニューをご紹介。
雲の通ひ路 ¥1,800
「天つ風(あまつかぜ)雲の通ひ路(かよいじ)吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ」【歌番号12 僧正遍照】
『天を吹く風よ、天女たちが帰っていく雲の中の通り道を閉ざしておくれ。乙女たちの美しい舞姿を、もうしばらく地上に留めておきたいのだ。』
舞姫の衣を思わせる艶やかな朱色のカクテル。吹きすさぶ風と雲をドライアイスで表現しました。美しい天女たちが地上から天界へと雲の中を歩み去っていく壮大なイメージを、星のような金粉を散りばめたグラスの中に閉じ込めました。(文章:プレスリリースより引用)
雪は降りつつ ¥1,400
「君がため 春の野にいでて 若菜摘む わが衣手(ころもて)に 雪は降りつつ」【歌番号15 光孝天皇】
『あなたにさしあげるため、春の野原に出かけて若菜を摘んでいる私の着物の袖に、雪がしきりに降りかかっています。』
春の野原で若菜を摘む、若き親王だった頃の光孝天皇。その爽やかなイメージを、ブルーベリーの甘酸っぱいカクテルにしました。着物の袖に降りかかっては消えていく春の淡雪になぞらえて、バーテンダーがカクテルを注ぐと綿菓子がすっと溶けていく様子をお楽しみいただきます。(文章:プレスリリースより引用)
アフタヌーンティーやランチも
実は琵琶湖ホテル、百人一首に関してはカクテルのみならずアフタヌーンティーやランチなども提供しています(常設ではないのでご注意!)。こちらも雅やかな世界観はカクテル同様、一口一口歌を噛み締めながらいただけるようなメニュー構成になっています。いや〜、イベントフードの参考になる…。
こちらは古の歌に詠まれた日本の春を、遊び心あふれる献立と色とりどりの盛り付けで表現したランチ。小野小町の『花のいろは移りにけりないたづらに…』のように、花の代名詞とされた桜をイメージして「桜海老かき揚げ」や「鯛のお造り」「小蛸煮」などの桜色を散りばめました。光孝天皇『君がため春の野に出でて若菜摘む…』の萌え出る緑をイメージした天ぷらなど。
またこちらは創業60年以上になる全国的に有名な和菓子の名店「叶 匠壽庵」とコラボレートしたスイーツ。すごい可愛い!凝っている。本当に百人一首の札みたいでテンション上がっちゃいますよね。
こちらは秋の歌をテーマにしたアフタヌーンティーです。一般社団法人全日本かるた協会加盟「大津あきのた会」と歌人の遠山利子さんがメニューを監修するなど、気合の入り方が全然違う。
「秋風に たなびく雲の たえ間より もれいづる月の かげのさやけさ」左京大夫顕輔
ひときわ美しく輝く秋の満月を思わせる、かろやかな味わいの洋ナシのムース。たなびく雲にもジューシーな洋ナシを飾り、秋の夜空を描いた甘酸っぱい一皿。
「奥山に もみぢふみわけ なく鹿の 声聞くときぞ 秋はかなしき」猿丸太夫
モンブランはまろやかな舌触りと深いコクが魅力の秋の代表的なスイーツ。滋賀県産の朝宮抹茶と栗の2色のモンブランを大小並べ、鹿が住む山並みを表現しました。
スイーツ一つ一つにきちんと意味が込められているので、その意味を紐解くのが謎解きみたいで面白い!
琵琶湖ホテルと百人一首の関係性
2017年より大津京遷都1350年を記念した「百人一首カクテル」をシリーズで販売し、2019年には「百人一首スイーツビュッフェ」、2021年の春と秋には百人一首をテーマにした“アフタヌーンティー”を開催してきた琵琶湖ホテル大津。
なぜ琵琶湖ホテルがここまで百人一首にこだわるのでしょうか?
それは、この地が百人一首と所縁を持つ地だからです。大津市にある近江神宮には、大化の改新や大津京遷都で知られ、百人一首第一番の歌の作者である天智天皇が祀られているんですよね。
さらに、神宮内の近江勧学館では、毎年、競技かるたの名人位戦やクイーン位戦、全国高等学校かるた選手権が開催され、「かるたの聖地」として全国の競技者の夢の舞台と言われています。市内には歌道の神様とも言われる猿丸太夫の墓があったと伝えられ、百人一首に関わる逸話の多い土地。
だからこそ、ここで体験する百人一首企画はひときわ身にしみると言いますか、記憶に残るものになること間違いなしなんです。
日本の伝統をエンタテイメントに上手に昇華
文化や伝統において、やっぱり『食』って強い! 例えば今回は“百人一首”のお話でしたが、この他にも「知ってほしいけど、今の時代には渋すぎちゃってどうしよう……」っていう、取り扱いづらいテーマってたくさんあると思うんです。
日本の伝統文化って本当に素晴らしい。世界との繋がりがより強固になるこれからの時代、日本の1番の強みって言ったらやはり伝統文化です。
ただやはり、この伝統文化を使った表現は見る人を選んでしまうというか、全ての人が楽しめるものとは限らないですよね。
そんな時にも裏切らないのはやっぱり“食”!食べる事が嫌いな人っていないじゃないですか!
扱うテーマを上手に表現したフードやドリンクが出てきたら、美味しく美しく記憶に残るんです。その良い例が本件だと思うんですよね。
もしこの企画が、ただ単に和風な雰囲気を出したテーブルデザインと季節の食材を使用したありきたりな和食だったらあまり意味がない。しかし今回のようにメニューとテーマ、土地の持つストーリーなど全てがリンクしたものであれば、もう満足感は半端ないものになります。
やっぱりエンターテイメントは“軸が通っているか”が大事なんですね! 改めて思い出させてくれる、そんな食企画でした。