プレゼン時の新演出にも?!3Dアートな未来の新聞「DATASPACE」
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みなさんこんにちは!GPの宮永です。突然ですが、「アルスエレクトロニカ・フェスティバル2022」ってご存知ですか?
『世界最大規模のメディアアートの祭典』と呼ばれる、オーストリアのリンツで開催される本イベント。そんな大規模なイベントが開催された今年の秋に会場をわかせたのが「DATASPACE」と呼ばれるプレゼンテーションでした。
未来の新聞と呼ばれるこちらの作品、一体どんなものなのでしょうか。
メディアアートの最先端、アルスエレクトロニカ
アルスエレクトロニカとは、メディアアートの国際的祭典「アルスエレクトロニカ・フェスティバル」、文化教育施設「アルスエレクトロニカ・センター」、研究開発部門「アルスエレクトロニカ・フューチャーラボ」などの総称です。オーストリアのリンツ市が出資する公社が「アート・テクノロジー・社会」をテーマに未来を構想する機関として運営しています。
そんな未来の技術への投資を惜しまないリンツ市で毎年9月に開催されるフェスティバルは、アートとテクノロジー、サイエンスの横断的な表現を探究したメディアアートが数々登場し世界を沸かせています。
またこちらのフェスではメディアアートに革新をもたらした人物や作品・プロジェクトを毎年表彰し、その最高賞である「ゴールデン・ニカ賞」は「コンピューター界のオスカー」とも呼ばれる誉れ高いし賞として有名。とにかく、メディアアートを志す者にとってスペシャルな場ということは押さえておきましょう!
大空間に3Dアートでニュースが出現
「DATASPACE」とは
そんなメディアアートの祭典を沸かせた出展作品「DATASPACE」とはどんな作品だったのでしょうか。まずはこちらの動画をチェック。
大空間に突如として登場する3Dアート。壮大で美しい没入感がある作品…というだけじゃありません。内容をじっくりと見てみると、実はニュースなんですね。
今年2月のロシアによるウクライナ侵攻の影響を、資源価格や株価、難民の数といったデータを基にした3Dのビジュアル表現で幅16m、高さ9mの大空間に投影したプレゼンテーション「DATASPACE」。見れば見るほどに雄大です。
「アーティスティク・ジャーナリズム」という新しい手法
欧州はもとより、世界に大きな衝撃と影響を与えたウクライナ侵攻。この危機に向き合い「アートとジャーナリズムはどのような貢献ができるのか」についてディスカッションを重ね生まれた作品、それがこの「DATASPACE」でした。
「DATASPACE」は、データのみで作られた禅の庭のような情報の世界に参加者を誘うもの。データに基づいたアート表現でニュースを伝え、「感じ」「考え」「問い」「対話する」という一連の行為を促します。こうした手法を「アーティスティク・ジャーナリズム」と呼び、新しいメディア表現の一つとして提示する。それが「DATASPACE」が世界最大規模のメディアアートの祭典に訪れた人々へ伝えたかったことでした。
2つのラボの共同制作
制作は2つのラボの共同制作によるものでした。その2つのラボというのが日本経済新聞社の研究開発部門である日経イノベーション・ラボと、アルスエレクトロニカの研究開発部門であるアルスエレクトロニカ・フューチャーラボです。
ジャーナリズムの日経イノベーション・ラボ、そしてメディアアートのアルスエレクトロニカ・フューチャーラボが「アート思考」による発想法を活用して未来の新聞を構想するとこういう形になる。アートとというのは芸術、そしてつまりは表現方法のこと。情報に溢れる今だからこそ、人々に刺さる表現方法が必要とされる、そんな時代に突入しているんですね。
ちなみに日経イノベーション・ラボは最新技術に関する様々な知見とクリエイティブなアイデアでイノベーションを創出し続けています。今後も最新の学術理論を応用した人工知能の研究や、V Rやメタバース領域など幅広い分野で活躍同社をまた別の機会に違う角度からご紹介していきますね。
重要な問題こそ心に刺さる表現を
『情報疲れ』とはよく言ったもので、ネットで様々なニュースが勝手に入ってきてしまう今の時代、ニュースは軽く流されがちです。それはいろいろな派閥がいろいろな違う意見を言っているから。
昔はそもそもメディアの数が絞られていたので、色々な意見が聞けるといっても処理できる範囲内でよかった!でも、今はもはや飽和状態。ただでさえ忙しいのにそんなニュースが流れてくるとどうしても疲れちゃいますよね。そんな時代に一石を投じる新しいニュースのあり方、それが「DATASPACE」だと思うのです。
ただただ客観的なデータを視覚的に落とし込み、見ている人は自主的にそこから思考を深めていく。目を背けてはいけない重要な問題こそ、シンプルな情報を心に刺さる表現で。
これこそ、今の私たちに必要なニュースのあり方ではないでしょうか。もちろん、イベントシーンにも活用できる技術であること間違いなし。説明をせずとも視覚的に理解できる“シンプルだけれどインパクトがあって美しい”そんな未来の技術。表現の仕方って時代によって変化します。今後もアンテナを張ってチェックしていきましょう。