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ハロウィンはどうして日本人を夢中にさせるの?

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こちらの要約文はAIによって生成されたものであり、情報の正確性を保証するものではありません。
ハロウィン、日本人、なぜ、東京、仮装好き
Photo:FASHION SNAPより引用

こんにちは!GPの宮永です。
やってきましたこのシーズンが。
何がって?そう!ハロウィンです!

毎年、ハロウィン周辺になると街中にハロウィンの装飾が現れ、ショップやレストラン、カフェなどの至る所でカボチャやコウモリを模したハロウィン仕様のアイテムやフードの提供が開始されます。テレビの天気予報ニュースの背景までハロウィンモードになり、どんどん気持ちを盛り上げていきます。渋谷なんて、今や海外からも注目を集めるほど沸き上がるようになりました。

そんなこんなでみんな大好きハロウィン!なんですけど、落ち着いて考えてみると、日本とあんま関係ないような……?
そもそも、私が子供の頃のハロウィンはここまで大きなお祭りではなかったような……?
実は日本人とはあまり親和性がないこの行事。1年で1番のお祭りになった理由は何なのか?なんでこんなにまで私たちを夢中にさせるの!?ねえなんで!

私たちはイベント会社、こうも一気に盛り上がったイベントとなれば、その理由を探らずにはいられない! ということで、今回のお題は“ハロウィンの何が日本人を夢中にさせるの?”です!

ハロウィンは日本で一番成功したお祭り?

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Photo:FASHION SNAPより引用

ハロウィンって日本で一番成功したお祭りと言っても過言ではないのかもしれません。
さすがに大げさ?ところがそうでもないんです。
もともとお祭り大好きの日本人ですから、御輿を担ぐ夏祭りや花火大会はたくさんあります。でもそれって地域の伝統に根ざしているので、みんな時期や内容がバラバラなんです。
そう、日本全国で共通して『いっせーのーせ!』と盛り上がるお祭りって、実はあまりなかったりします。
海外から入ってきたイベントと言えばクリスマスやバレンタインもありますが、これは最小二人、多くても数人のパーティですし、みんなでワッショイ!って感じのお祭りとはちょっと違うんですよね。

地域での差がなく、年齢の差もなく、開催日が一緒で、多人数で盛り上がることができる。そんな日本人が一丸となれる条件がそろったイベントがハロウィンなのかも?なんて思うのです。

ハロウィンの起源はそもそも何?

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と、ここで意外と知らないハロウィンの起源についてご紹介しましょう。

ハロウィンは秋の収穫を祝い、悪霊を追い払う古代ケルトの「ドルイド信仰」がオリジナルです。この宗教儀式が多くのアイルランド系やスコットランド系移民の影響によりアメリカに定着し、時を追うごとに宗教色が薄くなり民間行事化していき、今日のハロウィンとなっています。海外の行事は宗教色が強いものが多いですが、ハロウィンは民間行事として定着しています。

そんなハロウィンが日本に入ってきたのは戦後。戦後、日本の憧れの対象はアメリカでした。憧れの国であるアメリカから音楽やファッション、車や食べ物など多くのアメリカンカルチャーを日本に輸入していくのですが、ハロウィンもそのうちのひとつです。
しかしこのハロウィン、日本で盛り上がりを見せるのは随分最近になってから。具体的には2000年代に突入してからなんですね。そりゃ、私の子どものころは流行ってなかったわけですよ!(あっ、年がバレる?)

ハロウィンはどうして日本で波及したの?

Point#1:SNS時代の後押し

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では、なぜ2000年代になって突如ハロウィンが盛り上がりを見せたのでしょうか?

キッカケはカメラ付き携帯とSNSの普及です。スマホ普及は少し後ですが、2000年代にはほとんどの人が携帯電話を所持するようになりました。加えて、携帯電話の機能にカメラがつくようになっていったのです。その流れに並行し、2004年に登場したのがミクシィとフェイスブックです。マイスペースとかもこの辺りで登場しましたよね。懐かしい!(えっ、ミクシィもマイスペースも知らない?そんなこと言わないで……)

そして確立していったのが『誰もが常にカメラを持ち歩き、日常の写真を撮影し、それをインターネット上で共有する』というスタイル。実は、このスタイルが生まれ、確立され始めた時期とハロウィンがじわじわと日本に定着ていった時期って被るんです。

もちろん、ハロウィン自体はその前からありましたよ!先ほど書いた通りハロウィン自体が入ってきたのは戦後ですし、日本初のハロウィンパレードを1970年代にキデイランド原宿店が仕掛け、仮装のレベルが高いと話題になったカワサキ・ハロウィン・パレード(2021年に終了)は1997年から始まりました。でも、多くの日本人にとってハロウィンが自分も参加できるイベントとして認識されたのは2000年代と言えるのです。

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Photo:川崎経済新聞より引用

ちなみに、日本のハロウィンの歴史をたどるときはディズニーランドの歴史を追って見ていくと面白いです。
東京ディズニーランドでは1997年にディズニー・ハッピー・ハロウィーンをスタートさせています。とはいえ、そのころはあまり注目されていませんでしたし、ディズニー側もそこまで力を入れていませんでした。
それが、2000年代に入るとハロウィンイベントの盛り上げを加速させていくのです。2002年にはゲストの仮装参加の促進が始まり、2009年には東京ディズニーシーでも正式にハロウィンイベントを開催しはじめました。
さすがエンタメの最先端を走るディズニー、機を見て動くのが上手い!!

Point#2:日本人はお祭り好きで仮装好き(だけどシャイ)

もちろん、ハロウィンが一気に広がった理由はSNSや写真のシェア文化だけではありません。実は、日本にはそもそもハロウィンが一気に波及するだけの文化的態勢がありました。さらに、ここに日本人の国民性が加わってくるのです。それが「お祭り好きで仮装好き(なんだけどシャイ)」ってやつ。

日本人は“人と繋がれる”お祭りが大好き

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Photo:LUXURY TRAVEL JAPANより引用

日本各地で開催されている伝統のお祭り、実は30万件もあるんです!
というのも、日本では伝統文化の継承や集団の団結力の強化、社会教育や歴史の伝播などを各地方の祭に託している部分があるんですね。
民俗学でも『日本には『ハレ(日常)』と『ケ(祭)』を分ける世界観がある』という研究があります。お祭りが生活に組み込まれているんです。
そんなわけで、日本人はもともとお祭り大好き!何かと理由をつけてはお祭りでわっしょいわっしょいやりたい!って文化の土台を持っています。

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Photo:Le japon pour tous.frより引用

でもこういった伝統的なお祭りって(例えば神輿担ぐとか稲刈りするとか)、今の時代には合っていません。お祭りの準備のために時間はなかなか割けないし、お祭りの内容は農業主体の時代に生まれたものが多く、あまりにも現代人の生活とかけ離れてしまっている部分もあります。さらに、今は故郷を離れて都会で働く人々も多く、土着のお祭りに参加したくてもできないという事情も。

となれば、色々な人と繋がれるイベントなりお祭りが欲しいですよね。そんなわけでクリスマスやバレンタインなどのグローバルなお祭りが日本向けにローカライズされて定着していきました。

でも、これらのイベントには致命的な弱点がひとつあります。それは “恋人や家族がいる人中心、へたすれば限定”という点!一人暮らしが激増し結婚率も下がっている今、これらのイベントに乗りたくても乗れない人がたくさんいます。

そこに目を付けたのがハロウィン。『なんのしがらみもなく、ただただ仮装をして参加すれば良い』という日本流のローカライズをすることで、ハロウィンは『お祭りに参加したいけど参加できない』日本人の心をガッチリ掴んだのです。

日本人は実は仮装好き

日本でハロウィンを語るとなるとまず最初に飛び出すワード、それは仮装ですよね。もちろんハロウィンの本場であるアメリカでも「今年は何を着ようかな〜??」みたいな話題にはなると思いますが、それよりもまず『子供達がトリック・オア・トリートを声がけしながらお菓子をもらう』という意味合いのが大きいんです。だってハロウィンはもともと、子供がメインのお祭りですからね。

ハロウィン、日本人、なぜ、東京、仮装好き

でも日本のハロウィンはちょっと違う。トリックオアトリートの声掛けはみんな知っているけれど、どちらかといえば大人が仮装をして楽しむイベントみたいな状態になっています。これは日本版ローカライズの結果です。前述した通り、日本人は年齢や性別や家族構成一切関係なく、一人でも気軽に参加できるイベントを求めていました。ハロウィンの『子供のお祭り』部分を重視したら、参加者が限定されるクリスマスやバレンタインの二の舞になってしまいますからね。

「いや、そんな仮装っていうけど、そんなにみんなしたいもんかねえ?」
いやいや、周りを見てください。絶対みんなしたいでしょ!
コスプレ文化にゴシック&ロリータに原宿ファッションに……日本人、変わった格好をするのが大好きなんです。
しかも、その仮装好きの起源を遡ってみると、かなり古い!もともと、日本って仮装文化が超ナチュラルに存在していたのね!ってことが分かってきました。

有名なのは、江戸時代の画家である歌川広重が描いた浮世絵『 東都名所 高輪二十六夜待遊興之図 』。高輪や品川の海岸に集まり、飲食をしながら月の出を待つ、二十六夜待ちという行事の絵なのですが、なんと仮装をする人々が描かれているんです。

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Photo:Tokyo Museum Collectionより引用
「東都名所 高輪二十六夜待遊興之図
歌川広重/画」
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Photo:Japaaanマガジンより引用
「古代踊尽し 盆のおどり」歌川広重
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Photo: ウィキペディアより引用
「ええじゃないか」歌川芳幾

他にも、江戸時代末期の「ええじゃないか騒動」が描かれた絵の中には狐の仮装をした人が描かれています。

また、節分に芸妓や舞妓によって行われる伝統行事の『お化け』では、仮装で笑いを誘い福を招くと言われています。

ということで、日本にはもともと、庶民による仮装文化の土台があったんですね!

仮装は好き、でも恥ずかしがり屋な国民性

というわけで、元来日本文化は仮装好きの部分があったのですが、それと同時に存在するのがシャイな国民性です。
みんなと同じ格好、同じふるまいじゃないと不安になっちゃう一方、セーラームーンやプリキュア、仮面ライダーに戦隊ものといった、変身を絡めたアニメや特撮番組が放送され、大人気。日曜朝の変身ヒーロー番組がずっと続いているのも人気の高さを裏付けていますよね。

そんなわけで変身願望が絶対あるし、大好き! なのにも関わらず、それを素直にできないのが恥ずかしがり屋な国民性ゆえ。

じゃあ、ハロウィンという“免罪符”があったなら?「イベントだから好きに仮装してOK!だっていイベントですから!」これに日本人が反応しないわけがない!ということで、このイベントが2000年代にSNSの普及と同時に一気に広まることになったのです。

ハロウィンはこのまま伸びるかと思いきや……?

そんなわけで日本で大人気のハロウィンですが、実はハロウィンの経済効果は2016年にピークを迎え、その後一転して右肩下がりだったりします。去年はコロナで出来なかったのでカウントしないにせよ、2019年のハロウィンの市場規模は1,155億円(日本記念日協会推計)。前年比約7%減に加え、ピークの2016年の約1,345億円から比べると、3年間で約190億円も減少。

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Photo:The japan timesより引用

理由は様々なのですが、一番大きいのはネガティブなニュースによる(若干の)ニーズの低下。覚えている方も多いと思いますが、2018年の渋谷ハロウィンで起こった火災や軽トラひっくり返し騒動をはじめ、ハロウィンがもたらした群衆の暴徒化事件を問題視する声が年々大きくなっています。
上述のカワサキハロウィンも、こういった騒動が目立つようになってきたことを受け、終了すると公式がアナウンスしていました。
そんなニュースを見ていると「ハロウィンに興味あるってなんかあんま良くないのかな」とか「パリピっぽいイメージついちゃいそう」「変な風に思われたくない」という、ネガティブな印象を抱いてしまった人も少なからずいるようです。

ハロウィンはコロナ後に再び盛り上がるか?

ネガティブイメージによる需要の低下があるとはいえ、もはや日本の民間行事と化してたハロウィン。この行事が急速に拡散した理由には“共感性”と“仲間と一緒に楽しめるお祭り”というものがあるのは間違いありません。

コロナで中々イベントができず人にも会いづらい昨今、人々が求めるものとハロウィンはマッチ。大人数で盛り上がれて、普段の自分とはかけ離れた仮装を楽しめ非日常を満喫する『免罪符』をくれる。本場のハロウィンとはちょっと違うけど、これが我々日本人にとってのハロウィンなのかもしれません。

とはいえ、今年のハロウィンはコロナの影響で盛り上がるのは難しいでしょう。しかし来年以降は?もしかしたら、2016年のピーク時とは比べ物にならないくらいのハロウィンのビッグバンが起こるかもしれません。

ハロウィンが証明した『みんなで盛り上がれて』『一人でも参加できて』『みんながいつもと違う格好をするから、自分も違う格好ができる』という機運。これはイベントにも活かせるポイントではないでしょうか?

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公開日:

2021OCT

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