フランス、ナントの超個性派アミューズメントパーク 「マシン・ド・リル」
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みなさまこんにちは!GPの宮永です。
この世界には様々な遊園地やテーマパークが存在しますが、本日はその中でも“超”がつくほど個性的なアミューズメントパーク、フランス、ナントにある「マシン・ド・リル」をご紹介します。
マシン・ド・リルとは?
さてまず今回取り上げるマシン・ド・リルについて。マシン・ド・リルとは、フランス西部の都市・ナントにあるアミューズメントパークです。とはいえ、普通のアミューズメントパークとは少し趣旨が違う場所です。というのも……ナントは『八十日間世界一周』『海底二万里』の 作者ジュール・ヴェルヌが生まれた街として知られているのです。
圧倒的想像力と他には類を見ない世界観に満ちた作品から、いつしか「SFの父」と呼ばれるようになったジュール・ベルヌ。この人並み外れた脅威の世界観を表現するために生まれたのがこちらのアミューズメントパークでした。
夢が溢れるアートプロジェクト
ジュール・ヴェルヌの世界観を反映した遊園地を作ろうと動いたのが、フランソワ・ドラロジエールとピエール・オルフィスにより始められた演劇集団ラ・マシーン。
1987年に役割を終えたかつての造船場の跡地にジュール・ヴェルヌの世界観を持ってクリエイティブなアミューズメントパークを作り町興しに貢献したい。これが、マシン・ド・リルというアミューズメントパーク然り、芸術プロジェクトでもあるわけなんですね。
圧倒的世界観の超個性派遊園地
造船所跡地ということで、かなり広めのスペースに位置するこちらのアミューズメントパーク。物価も日本に比べるとお高いフランスですが、入場料はなんと無料!
アトラクションに乗るときはお金が必要なものの、眺めるだけなら無料で何時間も楽しめるというめちゃくちゃハッピーで優しめなエンタメ施設。しかもスペースの中に広がるシュールな世界観、そしてその世界観を作り出すモニュメントなどのクオリティがすごすぎて、正直その場にいるだけでだいぶ満足に違いない。
パークのテーマは“機械”ですので、本パークには生き物の形を模した巨大な機械がたくさん登場します。さらにその生き物型の機械を模したアトラクションで遊ぶこともできちゃいます。ということで、お次はマシーン・ド・リルを代表する3つのアトラクションをご紹介。
マシン・ド・リルのアトラクション3選
海中メリーゴーランド(Carrousel des mondes marins)
こちらはCarrousel des mondes marinsと呼ばれるメリーゴーランドで、コンセプトは“海中”です。一般的には馬や飛行機などの、乗り物に使用されるモチーフは、魚や船など海にまつわるもの。
そしてコンセプトに止まらず、造りも中々に個性的。というのも、なんとこのメリーゴーランド、3階建てになっていてそれぞれの高さで乗るもののテーマが異なってくるんですよ。なんかすごいでしょ?
巨大な象(Grand elephant)
本テーマパークの最大のコンテンツが、Grand elephantと呼ばれる巨大な機械仕掛けの象と言えるでしょう。全長21m、高さ12m、重さ48.4tという冗談抜きのでかさに脱帽!近くで見るとものっすごい迫力なんだとか。チケットを購入すると、見るだけではなくこの象の上に乗ってテーマパークを周遊することができます。コースは3つあるようで、それぞれ好きなコースを45分かけてお散歩することができるのだとか。
因みに鼻も本物の象のように自在に動くので、鼻先から水しぶきを噴射しながら歩くんだそう。こんなに高いところからパークを周遊できたらものすごい楽しいだろうなぁ。
マシーンギャラリー(La Galerie des Machines)
島に上陸して、ガレージ左手に見えるのがこのマシーンギャラリー。中に入るとまるで植物園のような雰囲気で、高さ3mくらいの巨大な鳥の機械がメインです。ここではスタッフの説明を聞きながら、直近で鳥が飛んだり動いたりするのを見ることができます。
壁には小型の機械があり、希望者はそこに乗り込むことが可能。高い位置からこの鳥の機械の動きや飛ぶ様子を見ることができちゃいます。実際に間近からこの機械でできた動物たちを見た人々は、生物の動きを再現するための緻密なテクニックや造りに驚くようです。
以上3つが本パークを代表するアトラクションですが、他にも素敵なコンテンツで溢れていますよ。
終わりに
いかがだったでしょうか? 実はこのマシン・ド・リルのプロジェクト、本アミューズメントパークで終わりじゃないんです。
昔の造船現場だった建物内には工房があり、試作中のものを沢山見ることができ、すべて現在進行形で進められています。中でもすごいのが2016年に発表されたアオサギの木(l’Arbre aux Hérons)プロジェクト。ロワール川を舞台に直径50m、高さは35mのアオサギの木を植え、この木の上を機械仕掛けのアオサギたちの住処にすると。
めちゃくちゃ壮大じゃありません?でもそんな夢も夢として終わらずにプロジェクトを進め続ける力強さにロマンを感じます。アミューズメントパークって夢を与える一方で大人のビジネスさもちょっとだけ臭ってきたりしちゃうじゃないですか!しかしこのマシン・ド・リルはそんな匂いが一切しない稀有な場所。
少年の心を持った大人たちが、持ち前の想像力と技術で理想の世界を作り上げる夢の過程って感じが、なんだか心にグッと刺さるんですよね。それではまた。
開館時間:10~17時(冬は14~18時)
休館日:月曜日(夏は無休)
住所:Parc des Chantiers, Boulevard Léon Bureau, 44 200 Nantes