復興現場も見所満載、『首里城』の今
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みなさんこんにちは!GPの宮永です。
気づけばすっかり秋模様、過ぎてしまえば夏が懐かしい……
夏といえばやっぱり海。そして綺麗な海といったらそりゃ沖縄ですよね。
今年の夏はコロナの影響もあり国外旅行はまだまだハードル高……ということで沖縄をバカンス先に選ぶ方も多かったようです。そしてそして、そんな皆様が沖縄で訪れる先といえば沖縄のシンボル、首里城でしょう。
しかし、この首里城。少し前に火災で焼失してしまった記憶も新しいですよね。あのあと、首里城がどうなったのか、皆さんご存知でしょうか?
沖縄のシンボル首里城のいま、2019年の火災
2019年10月31日に突如として起きた首里城の火災。沖縄の歴史を語る上で欠かせない建造物の火災は多くの人々にショックをもたらした事件でした。この火災により首里城は本殿を含む9棟の建物と歴史的遺産が焼失。日本文化にとって大きな損失となったのです。
しかし、沖縄の人々はタフです。というのも、現在完全復興に向けて工事を進めている首里城を「見せる復興」と銘打ち、観光名所にしていたのです!
どういうことかというと……
『見せる復興』の名の通り、全ての人々が復興していく様子を間近で見ることができるよう、工事の現場をオープンにしました。火災では人的被害が出なかったとはいえ、これはなかなか大胆。
でも、言われてみれば『文化財がどのように修復されていくのか』を見ることができる経験ってかなりレアですよね。ちょっと気になっちゃいます。
では、今どんな状況なのか、首里城を訪れたら何を見ることができるのかをご紹介していきましょう!
首里城の歴史
とその前に、まず最初に首里城の歴史についてさらっとおさらい。
首里城はもともとどんな建物だったかというと、1429年に成立した琉球王国の政治、外交、文化の中心だった国王の居城だったんですね。1879年に最後の国王である尚泰が明治政府に明け渡すまで約450年間もの長きにわたり栄えた琉球王国。ちなみに築城は14世紀半ばから後半と言われています。
戦前には正殿など国宝に指定されましたが、第二次大戦の沖縄戦で焼失。日本復帰20年を記念して復元されました。それ以降、今に至るまで沖縄の歴史を伝えるシンボリックな存在として沖縄の人々に愛され続けています。
首里城の“見せる復興の具体的な内容は?
2019年の火災により正殿を含む8棟が火災により被害を受けた首里城ですが、現在は2026年の再建、復興に向けて再建作業はもちろん首里城関連イベントなどに精力的に取り組んでいる様子。
そんな中、特に注目されているのが復元までの過程を目にする事が出来る「見せる復興」です。
具体的には首里城正殿などの復元作業を見ることができる仮設見学デッキの一般公開や、世誇殿での首里城ムービーの上映など、これまでなかった取り組みが目白押しです。具体的な内容はこんなかんじ。
見学デッキ
正殿前広場である御庭(うなー)にて木材倉庫・原寸場を整備するにあたり、来園者用通路を切り替えるため設置された新たな見学デッキから復興へ向かう首里城の現在を見ることができます。通路沿いのフェンスには、在りし日の首里城正殿とその施工過程、火災直後の状況が展示されています。
正殿遺構
世界文化遺産に登録されている『首里城正殿基壇の遺構』は国指定史跡でもある首里城跡を象徴する、大変重要な文化財。こちらは火災後、灰や正殿の部材を取り除き遺構を保護するために土で埋め戻し、屋根をつけて公開していたようですが、現在は一旦閉鎖。今後は、2026年に完成する正殿の内部で再び公開予定とのこと。
大龍柱補修展示室
火災の影響を受けながらも奇跡的に立っていた大龍柱。補修作業のため台座から取り外し、仮設補修作業場へ移動して大龍柱の本格的な補修作業が行われました。補修された大龍柱は、新しい令和の大龍柱の見本として活用するまでの約2年間、下之御庭の補修作業場で公開中。
首里城復興展示室
火災前まで首里城正殿の屋根から睨みをきかせていた獅子瓦、首里城正殿を彩っていた小龍柱や石獅子、石高覧等の石彫刻の残存物を展示するこちらの展示室。
5台設置されたデジタルサイネージでは、それぞれ「首里城正殿:琉球王国の美の結晶」「首里城正殿:瓦と漆塗装」「首里城正殿の美:彫刻・漆工芸」「正殿の火災について」など画像を交えて紹介。
正殿の彫刻や瓦を葺いているところ、龍頭棟飾りを設置している様子等、平成の首里城復元にたくさんの職人や技術者が携わった姿を見ることも。
世誇殿(大型映像設備)
もともとは琉球王国時代、未婚の王女の日常の居室。国王が亡くなると次期国王の即位の儀礼が行われていた場所でもあります。
現在は建物内の休憩スペースでは4K高画質18面モニターによる首里城ムービーを上映しており、琉球王国の歴史と首里城正殿跡の魅力を紹介中。
デジタルミュージアム
琉球王国時代に3度、第二次世界大戦で4度目の火災に遭い、そのたびに再建を成し遂げてきた首里城。これまでの復元から現在までの歴史を資料、写真・映像を通してこれまでの首里城の歩みを見ることができるデジタルミュージアムも開設。
無料開放されている首里城公園内を歩くだけでも楽しい!
琉球王国の政治、外交、文化の中心地として活躍した首里城は訪れるだけでありし日の琉球王国へタイムスリップしたかのような世界観を楽しめる素敵な場所です。
中国と日本の築城文化をミクスチャーした独特の建築様式、石組みに使用された高度な技術、首里城公園内の文化財は実際に訪れてみないとその圧倒的な存在感は伝わらないはず。
見せる復興はもちろん、首里城公園の守礼門、国王が外出するときに安全祈願をした礼拝所である園比屋武御嶽石門、中国皇帝の使者を歓迎するために作られた歓会門、歴代の中国皇帝の使者による漢詩や題字が残された冊封七碑、美しく湾曲する瑞泉門や日影台と呼ばれる日時計、「福を行き渡らせる」という意味を持つ広福門、城内最大の信仰儀式の場京の内などなど、言い出したらキリがないほど見所満載!
首里城は、燃えたって沖縄のシンボルだ
首里城復興の目処について、スケジュールでいうと正殿の復元完成は2026年を予定、さらにその後北殿、南殿など順次修復を進めていくため、全てが完了するまでにはそれなりの長い年月が必要とのこと。
その期間を「見せる復興」へと切り替えた沖縄のジャッジは素晴らしいと思いませんか? 沖縄に行く機会がある人は「首里城は修復中だから行かない」という選択ではなく、「修復中だからいく!」という選択を是非とも選んでいただきたいな、なんて思うのです。