ソーシャルディスタンスなパフォーマンス事情#2
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みなさんこんにちは!GPの宮永です。
今回ご紹介したいのは、GPジャーナルでも度々紹介しているイベントシーンにおける“ソーシャルディスタンスアイデア”。コロナ渦のエンタメ業界者たちが1番頭を悩ませることといえば、イベント運営にあたってのソーシャルディスタンスをどうするか、ですよね。
新型コロナ感染症拡大との共存が新しい生活様式として取りげられてから随分時間が経ちました。未だ収束の目処はたっていませんが、それでも各業界から3密回避の様々なアイデアが打ち出されています。世界を見渡せば「非接触の距離とイベント会場を上手に繋げるアイデア」を考え出している人々がたくさんいます。
そんな情報を皆さんと共有すべく、今回も世界のソーシャルディスタンスイベント事情についてご紹介していきたいと思います!
ユーモアが炸裂するイベントシーンのソーシャルディスタンス
【フランス】客席はボート?パリに1日限りの水上映画館が登場。
まずはこちらから。今年は新型コロナ感染症拡大の影響で、映画館の経営が本当に苦しい…。そこで、芸術の都パリならではの映画館×ソーシャルディスタンスアイデアが登場しました。
フランスのパリでは毎年夏の間、ラ・ヴィレット貯水池やセーヌ川沿いに一時的にビーチが作られる「パリ・プラージュ」というイベントが開催されています。このパリ・プラージュの1イベントとして水上で映画を楽しむ映画上映会「Cinéma sur l’Eau」が1日限りのプレシャスなイベントとして開催されました。
参加者は抽選で選ばれた150人のみ。彼らは水上に用意された38艘の電動ボートから『シンク・オア・スイム~イチかバチか俺たちの夢』を鑑賞。これ、めちゃめちゃ良いな〜と思ったのが、映画作品もちゃんと“水”と親和性があること。ある意味、映画館で見るよりも船の上から鑑賞したほうが、より臨場感があるのかも…?
ボートの定員は4~6人でグループでの利用は家族もしくは友人に限られるとのことで、ソーシャルディスタンスもバッチリ!
【タイ】タイ開催のドライブインイベントは車じゃなくてトゥクトゥクでした。
お次はタイの事例。タイでも大規模なライブや夏フェスは中止、延期。しかしそんな中でも開催されたニューノーマルに適したイベント がこちら、「TUK TUK FESTIVAL」。
TUK TUK …。トゥクトゥク?はい、タイ名物のトゥクトゥクです!
車に乗ってドライブインで映画を見よう!みたいな感じのドライブインシネマをはじめとしたイベントの存在は知っていたけれど、トゥクトゥクとは……これはしてやられました。
本イベントはタイ国政府観光庁と大手ビールメーカー「チャーン」が今をときめく人気アーティストを集めて開催したもので、参加者は600人にも及んだのだとか。会場には約200台のトゥクトゥクが用意され、一台につき3人までが乗車可能。トゥクトゥクに乗っている間、お料理や飲み物を注文するとスタッフがそこまで届けてくれるシステム。これは至れり尽くせりですよ。
トゥクトゥクというワードに思わず注目してしまうのはさておき、観光客の客足が減り困り果てていたトゥクトゥク業者を救うという役目も担ったのだとか。一石二鳥で面白い…。
どうでしょう?浅草で人力車に乗って落語とDJのミックスイベントなんて、案外イケてる(?)のでは?
【ドイツ】イベント会場は使用禁止中の市営のプール。
新型コロナ感染症発生以来ドイツではプールが閉鎖中なのですが、この使用されていないプールを舞台に活用したコンサートが開催されている模様。
ドイツのチェリストJürgen Gerlingerが美しい音色を奏でたのは、バーデンヴュルテンベルク州エントリンゲンの水を抜いた市営プールです。本イベントのタイトルはBach im Becken。日本語だとプールのバッハ!ということで、もちろん演目はバッハ。これもなんともドイツらしい。
因みにこのイベント自体の名前は「Kult(ur)-Bad 2020」で、クラシック音楽の他にもスパニッシュギターやジャズなど幅広いアーティストの演奏を楽しむことができます。
水を抜いたプールってなんでも音響がめちゃくちゃ良いらしいんですよね。そんなプールを活用して、ストレスがどうしても貯まるこの状況で音楽に触れ合えるって素敵だと思いませんか。
【アメリカ】宗教上の集会でドライブインフェスが開催。
世界中がロックダウンをしていた6月、アメリカのシアトルで、とあるイベントが開催されていました。とは言っても、シアトルのあるワシントン州では大規模なフェス開催は法律的にNG。
しかし、どーうしてもイベントがやりたい!と思いたったイベント野郎たちによってドライブインフェス「The Covert Bat Drive Thru Rave」が開催されたのです。
まあ、結果的に開催“した”のですが、本当はドライブインイベントだろうがなんだろうが、大型フェスは何度も言うようですけどNG。そこで主催者が主張したのは「宗教上の集会」というとんでもアイデア。要するに“音楽というギフトを人々に贈ることによって、信仰心をさらに高める!”ということらしい……。そんな破茶滅茶な企画書を国の当局者に提出し、そしてこれが通っちゃったんだからアメリカンアメージングですよね。
とは言えイベントは大盛況。地元出身の人気DJに参加者は拍手喝采。ある意味本当にコロナで疲れ切った人々の魂が音楽で浄化された瞬間だったのかも?
【日本】障子に穴を開けてDJプレイを覗きながらひっそり楽しむパーティー。
最後に日本は京都から、ちょっとというよりかなり風変わりなイベントをご紹介。その名も「DJを穴から覗くパーティー」…っえ?ってなりますよね!私もなりました。
舞台となったのは祇園四条駅から歩くこと大体5分、そう、あの歴史も深い極楽寺。
オーガナイザー曰く、内容は
「御本尊の前のDJブースが障子に囲われていて、指で障子に穴を開けてDJを”覗く”といった趣旨になります。本堂は畳の部屋なのでゆっくりしていただけると思います〜。DJは多方面から濃ゆ濃ゆのメンツに来ていただき、出店も6店舗来ていただきます!個人的にも非常に楽しみな組み合わせです!」
とのこと。なんともゆる〜いオーガナイザーに好感を抱きつつ、このDJ陣に注目。 DJ STYLISH a.k.a 鎮座 DOPENESS、DJ ごはん(neco眠る)など、これまたセンス良し!なメンツなのです。
因みにDJイベント以外にもワークショップも開催されたらしく、ファミリーでも楽しめる和気藹々としたものだったそう。
いかがだったでしょうか?各国の個性が滲むユーモラスなソーシャルディスタンスアイデアは、どれも面白いものばかり。こうした斬新な思いつきは、規制のあるシチュエーションだからこそ登場するのだと思います。これからも続くであろう新しい生活様式。その中から、今までなかった斬新なイベントアイデアが生まれる予感にワクワクしています。