アフターコロナを見据えて。落合陽一×日本フィルの「__する音楽会」がめちゃくちゃ進歩的だった
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こんにちは〜!GPの宮永です。
コロナ禍もようやくワクチン接種が始まり、収束の可能性が見えてきましたね。(そう信じたい!)早くコロナが終わってほしいと願いつつ、コロナ時代のイベント運営において何か良い打開策を提案してるプロジェクトとかないかしら〜と思って日々リサーチしています。
そしたらね、あったあった!すごい格好良いやつがありました!
それは落合陽一さんと日本フィルハーモニー交響楽団による合同プロジェクト「__する音楽会」。
なんとこのプロジェクト。テクノロジーの力でwithコロナ、アフターコロナのコンサートのあるべき姿を作り出しているんです。
落合陽一×日本フィルハーモニー交響楽団プロジェクトとは
まず、このプロジェクトの説明から入りましょう。
「テクノロジーによってオーケストラを再構築する」というテーマを掲げ、メディアアーティストの落合陽一さんを演出に迎えてオーケストラ公演をするというこのプロジェクト。2018年に発足され、これまでに4度の公演が行われています。
コンサートの都度更新されるテーマは、時勢を表しているかのようで面白い上に、今までになかったオーケストラの姿が垣間見えます。
『オーケストラ』って、結構伝統的なイメージがありますよね。でもこのプロジェクトの公演を見たら全く違う印象を受けるはず。
だって、まるでSF映画のようなんですよ!
因みに2019年には聴覚障害のある人も音楽を感じて楽しめる「耳で聴かない音楽会」でカンヌ広告賞を受賞。メディアアートやテクノロジーを駆使しての音楽は、その名の通り“耳で聴かずに身体で感じる体験”でした。
最新音楽祭のキーワードはコロナ時代
さて、話を昨年(2020年)に行われた公演の「__する音楽会」に移しましょう。
実は今回、もともとは全く違うテーマを企画していたのだとか。しかし新型コロナウィルスの影響によって、当初予定されていた内容を大幅チェンジ。コロナの時代の新たなオーケストラ様式を模索すべく、オンラインだからこその新たな魅力を探る音楽会を作り上げたのです。
その試行錯誤がタイトルに現れていますよ。「__する音楽会」って、謎でしょ(悪い意味ではない)!
このタイトルには、最初に計画されていた企画がなくなった経緯だったり、今まで考えたものをチャラにしてまでも、新たなオンラインオーケストラの形を作り上げなくちゃという強固な意志が現れているんですよね。
そういったバックグラウンドを含めてなんてロマンチックなんですよね。
全く新しい音楽会「__する音楽会」
それでは、実際はどういう音楽会だったのか見ていきましょう!
まずは公演前に披露されたダイジェスト映像から!
そして、当日の様子も一部公開されています。
こちらはオンラインで見た場合の映像。
オンラインは飛び交ってる #__する音楽会 pic.twitter.com/FGEOvDbWmt
— 落合陽一 Yoichi OCHIAI (@ochyai) October 13, 2020
#__する音楽会 pic.twitter.com/ROxfdLIYK2
— 落合陽一 Yoichi OCHIAI (@ochyai) October 13, 2020
「__する音楽会」が目指さした先は、オンライン観賞を“劇場観賞の単なる代替手段ではなく、オンラインにしかできない新しい鑑賞体験”へと変えること。ライブでのオーケストラの「響き」と「らしさ」を保ちつつも、会場とオンライン配信とで、同じコンサートをまったく別の体験にしてみるのもありかもね、というコンセプト。
上で紹介した通り、これが本当に全く違う体験になっちゃうんだからすごいんです。
ホールでオーケストラを鑑賞すると、美しい演奏とオケの全体像の印象が残りますよね。でもオンラインで見た場合、カメラワークもあってプレイヤー1人1人がより近くに生き生きと感じられます。
そして今回、会場には『オンライン参加』の奏者も16人、9カ国から集まりました。指揮に合わせて世界中の奏者が一緒に演奏する……zoomやLINEビデオ通話をする際に必ず立ちはだかる『遅延』を知っている身としては、この技術レベルの高さにひたすら驚愕。
それもそのはず、これをサポートしたのはなんとGoogle。いや〜さすが。規模がすごいですね。
さらにオンラインを盛り上げるのは迫力ある3Dビジュアルです。
現場では生音のオーケストラと演奏としての映像と芸術劇場の空間配置の音響を,オンラインではデジタルによる演出上の制約の突破と高音質・高画質の配信による臨場感ある生音のミックスを.現場の演出は余白が必要だし,オンラインではより没入感が必要.コロナ禍で生まれた双子の演出. #__する音楽会 pic.twitter.com/bCONXlllA3
— 落合陽一 Yoichi OCHIAI (@ochyai) October 13, 2020
リアルの会場だと、なんだか仰々しい機材が置いてあるなあくらいの印象なのですが、オンラインでは3Dビジュアルがこれでもかと飛び交います。リアルで聞いた後にオンラインから確認すると「あ、なるほどあの機材がこういうビジュアルになって生まれ変わるのか」なんて、そういう気づきもまた楽しい。
まるで異次元に飛ばされるかのようなハイクオリティでリアルな3Dのビジュアルと音楽が掛け合えばこれはワンダーランド、いやファンタジー?
新たな時代のオーケストラ体験ってこのことか~!と思うはずです。
ビジュアルデザインにを担当するのは今年も「WOW」。変態する音楽会、交錯する音楽会を経てオンラインだからこそ実現できるテクノロジーを取り入れて圧倒的ビジュアルを作り出します。しかも2K画質。コンサートは聴覚がメインと思いきや、実は目でも楽しんでいる。そんな盲点をつついて視覚からも視聴者の感覚を揺さぶる揺さぶる!
そして音質を担当するのは最高級の音質を提供する配信サービスである「MUSIC/SLASH」。このサービスを使った上でヘッドフォンをオン。業界最高水準音質のハイレゾ音質の驚くほどの臨場感にあなたも腰を抜かすはず。とにかく会場で感じるような鳥肌を感じずにはいられない、いや、会場よりもむしろ感じる?それくらいのオンライン体験なのでした。
過去の公演映像はこちら
ちなみに、過去の公演は全てアップされていましたのでこちらもチェック!
《変態する音楽会》
《耳で聴かない音楽会2019》
《交錯する音楽会》
終わりに
いかがだったでしょうか?コロナだったからこそ生まれた今までになかったリアルとフィジカルの同時体験。
コロナ禍の中でやれオンラインだ、バーチャルだと言われるようになりましたが、リアルとオンラインはそもそも土俵が違うんです。だって私たちは五感はもちろん、毛穴まで使って雰囲気を感じたりするんです。その代わり、カメラワークや自由自在のエフェクトはオンラインならではの強み。だからこそ、リアルとオンラインは同じフィールドではない事を改めて理解し、それぞれを最大限に活かせるコンテンツ作りをしていく必要がある、そう改めて感じた演奏会でした。