「辻村ワールドすごろく」で辻村さん作品読んでみませんか?
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こんにちは!または、おはようございます、こんばんは!GP山蔦です。
今回は、私の好きな作家さんである辻村深月さんの作品がすごろく化した(?)「辻村ワールドすごろく」をご紹介していきたいと思います!!ちなみに、私が辻村さん作品を好きな理由は登場人物の素敵さです。
私は小説を読むとき、ストーリー展開よりも、人物の考え方や生活・行動などに注目して読むということが多く、好きな小説=「登場人物たちが好き」となることが多いです。
さて、そんな辻村さん作品を並べた本のすごろく……なんだかわくわくしませんか?
「辻村ワールドすごろく」とは?
「辻村ワールドすごろく」とは、講談社文庫が公式に出しているもので辻村さん作品を読む順番をすごろくのようにならべたもの。辻村さんの作品は、世界観が繫がっていたり、別作品の登場人物がある作品に出てきて会話を交わし、行動を共にしていたり……等、読んでいくと、登場人物好きにはたまらない仕掛けが待っているのです!
並んでいるのは、番外編を含めた全12作品。私もまだこのすごろくをゴールしたわけではなく……現在やっと『子どもたちは夜と遊ぶ』を読み終わったところです。まだまだ先は長い……けれど、この先の長さは嬉しい!
今回は、この作品の中から、前半も前半の3作品(+番外編)『スロウハイツの神様』(『V.T.R.』)『島はぼくらと』『家族シアター』をご紹介いたします!
人と人の繋がりを感じる『スロウハイツの神様』
人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ――あの事件から10年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。
引用元:講談社文庫
『スロウハイツの神様』は、人気クリエイターやクリエイターの卵たちが、アパート「スロウハイツ」で暮らす中で、傷ついたり、悩んだり、救ったりしながら時を進めていくお話。人にはそれぞれ悩みがあって、それをどこかで救う人がいて、救われる人がいて……人と人の温かい繋がりを感じられます。
ミステリーというわけではないのですが、後半、特に最終章の怒涛の伏線回収で読者は辻村ワールドにどんどん引きずり込まれていきます。文庫だと上下巻あり、決して短いお話ではありませんが、読みやすくテンポもとても良い作品なので、1作目にピッタリです。
番外編『V.T.R.』
辻村深月の長編ミステリーから物語が飛び出した。「スロウハイツ」の住人を受け止め、支えたあの作家。物語に生きる彼らと同じ視線で、チヨダ・コーキのデビュー作を味わおう。『スロウハイツの神様』の世界へようこそ。「ねえ、ティー。一人ぼっちにならないで。アタシはあなたを愛してる」。解説・赤羽環。
引用元:講談社文庫
こちらは、すごろく上の番外編、『スロウハイツの神様』に出てくる作家チヨダ・コーキのデビュー作です。「解説・赤羽環」も最高ですね。
すごろくでは番外編という扱いですが、『スロウハイツの神様』を読んだら是非セットで読んでみてください。というか、『スロウハイツの神様』を読めばきっとすぐに読みたくなるはずです……!登場人物の追体験ができるような作品です。
「青春」を感じられる『島はぼくらと』
瀬戸内海に浮かぶ島、冴島。朱里、衣花、源樹、新の四人は島の唯一の同級生。フェリーで本土の高校に通う彼らは卒業と同時に島を出る。ある日、四人は冴島に「幻の脚本」を探しにきたという見知らぬ青年に声をかけられる。淡い恋と友情、大人たちの覚悟。旅立ちの日はもうすぐ。別れるときは笑顔でいよう。
引用元:講談社文庫
こちらは、「青春」を感じさせてくれる、さわやかな小説。
実は、私はすごろくの中では『スロウハイツの神様』より前、1番目に読んだ作品でした。ちなみに、辻村さん作品で初めて読んだのはアニメ映画化もされた『かがみの孤城』。
それまでも、映画で『ツナグ』等を見たことはありましたが、読んだのは、初めてでした。このお話は、辻村さんの登場人物グループの作り方というか、区切り方のようなもの……を好きだなあと感じた作品でした。(言語化難しい……)
すごろく的には、早速1作目『スロウハイツの神様』とのつながりが見えてくるのですが、順番を逆に読んでも十分気づけるので、2作目が気になった!という方はここから読んでも大丈夫だと思います!!
あたたかくほっこりする短編集『家族シアター』
息子が小学六年の一年間「親父会」なる父親だけの集まりに参加することになった私。「夢は学校の先生」という息子が憧れる熱血漢の担任教師は積極的に行事を企画。親子共々忘れられない一年となる。しかしその八年後、担任のある秘密が明かされる(「タイムカプセルの八年」より)。家族を描く心温まる全7編。
引用元:講談社文庫
今回紹介する最後の小説は、『家族シアター』です。
こちらは短編集です。どのお話も魅力的で、仕掛けがあって、あたたかくほっこりするお話ばかり。ちなみに、文庫の裏表紙では、「タイムカプセルの八年」が紹介されていますが、個人的には「1992年の秋空」が一番好きでした。小学校6年生の姉はるかと小学校5年生の妹うみかのお話なのですが、お互いの素敵なところを受け入れて、その上で夢に向かっていこうとする感じにわくわくします。2人はまだ小学生ですが、尊敬です。
ちなみに、このお話に出てくるはるかとうみかは、このすごろくには入っていない辻村さん作品『この夏の星を見る』にも登場するそうで、そちらも是非よんでみたい!
短編集なので、長いお話を読むのが苦手……!という方は、『家族シアター』から読み始めるのもおすすめです。
終わりに
いかがでしたか?
今回紹介した3作品はどれも読みやすく、もちろん面白いので、正直どの作品から読んでも良い気がします。作品の繫がりや他作品にも出てくる登場人物をまとめてくれているサイトなどもあり、そちらも小説と合わせて読んでみるとますます面白くなりそうです……!ここから先は、温かさだけではない、辻村さんの魅力も見られそうな予感。
私も、すごろくのゴールまでまだまだなので、是非一緒に読み進めていきましょう!