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地球規模の社会課題に「議論」と「実践」で取り組む国際的フォーラム
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今回のイベントの一番の目的は何ですか?
朝日地球会議は「地球規模での未来を議論する国際的なフォーラム」として企画しており、2024年は9回目の開催となります。
メインテーマは毎年変わりますが、参加者の皆様が様々な課題を自分事として考え関わっていけるような場にしたいという目的は第1回から変わりません。今回は「対話でさぐる 共生の未来」をメインテーマに、複雑化する地球規模での社会課題を「持続可能性」「イノベーション」「国際関係・平和」「共生・多様性」の4つに分けて掘り下げていきました。朝日新聞社のパーパスは、「つながれば、見えてくる。」です。イベントを通じて、報道・言論機関としての責務を果たす場に、朝日地球会議も貢献したいと考えています。
また、弊社グループのアセットをフル活用し、我々と志を同じくするパートナーとの共創の場でもあると考えています。
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弊社にイベントをお任せいただいた理由は何ですか?
コロナ禍を経てイベント参加者の興味や要望が変わっていく中、リアルイベントの在り方を再考し、進化させたいという思いがありました。その中で会場などの変更に加えてパートナーも変えてみようと考えました。
様々なイベント会社にお話を伺いましたが、GPさんは我々よりも二回りほど若い方々の熱意ある誠実なプレゼンが響きましたし、実績も十分で「何かが起きそうだ」という期待感がありました。また、我々のイベントに対する熱量、こだわりをしっかり嚙み砕いて理解してくださり、スムーズにコミュニケーションができたのも大きかったです。現場から「GPさんとやりたい」という声が上がったことも決め手になりました。
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今回のイベントで一番重視したことは何ですか?
リアルの一番の強みである体験価値を高めることです。
今回、前半はリアル会場でのセッション、後半はオンライン会場でのセッションという建付けにし、リアルでは実際に足を運んでいただく大切さを考えて2フロアを使った展示にチャレンジしました。メイン会場ではスピーカーの骨太の議論を聞いて深く考えを巡らせる、別会場ではリラックスした雰囲気で交流しながら理解を深めることができるという仕掛けです。また、サステナブルな運営という部分にも軸足を置き、環境に配慮した様々な試みも行いました(後述)。
オンラインにおいては申込、視聴、コンテンツのクオリティ等々、システム面の見直し含めしっかりとこだわりを持って取り組みました。
イベント実施にあたって大変だったことは何ですか?
リアルとオンライン、それぞれのセッション準備を同時並行していたため、一時期は20件以上のプロジェクトが同時進行するという慌ただしさでした。
また、今回はイベント会社だけでなく会場や管理システムの変更もあり、手探りで型を作っていったので、全体ポリシーに照らしながらの現場判断が求められる局面が多かったのも大変でした。
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弊社とのやり取り、対応の中で印象的だったことは何ですか?
我々の抽象度の高い要望に対し、具体的な事例とたくさんの引き出しの中からアイデアをどんどん出していただき共に作り上げていくことができました。
会場内サインや舞台設営、要員の配置や運営方針など具体的なサポートをいただいたことでストレスなく実現に向けて集中することができましたし、当日の流れを熟知した上で細かな部分を先回りして対応してくださったのも助かりました。
何より、相当な苦労があったにも関わらず、へこたれずに笑顔で取り組んでくださったのが印象に残っています。「やっている」と「やらされている」の違いは如実にわかるものですが、雰囲気作りが素晴らしく、心が洗われた気がしました。
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実施してみてどのように感じましたか?また、参加者や社内の反応はいかがでしたか?
社内・社外共に「参加して良かった、雰囲気の良い場所だった」「こんなに素晴らしいと思っていなかった」というポジティブな評価をいただきました。これまでと変わったところ・変わらないところ両方ありますが、「さすがは朝日地球会議だ」と思っていただける部分があったのではないかと思います。朝日新聞社全体として良質な言論空間を作ろうとしている中で一つの形を作ることができました。
初開催の2016年と今では人々のリアルイベントへの関わり方も変わってきています。その変化を踏まえた朝日地球会議の新しさとこれまでと変わらない議論の質の高さ、両方を感じ取っていただけたと思います。
開催目的は達成できましたか?
コロナ禍の影響もあり、近年は逆風と言っても良いほど参加者が減っていた中、今回はリアル会場の参加者が増えましたし、定員オーバーで抽選になったセッションもありました。また、参加者の皆様の話が弾んでいる様子も垣間見え、イベントが議論のキッカケになったのではないかと思います。
まだまだ道半ばではありますが「私たちの目的は達成できる」という実感、一定の手ごたえはありました。集客やコンテンツ構成等もっとできることもありますが、それは伸びしろといえる部分ではないかと思います。
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次回以降、このイベントをどのように発展させていきたいですか?
今回これだけのことができたからこそ、まだまだ広げることができるというポテンシャルを感じました。2024年はメディアの在り方が問われた一年でしたし、今後も外部からの視線は厳しくなっていきます。その中で我々が何を考えて取り組んでいるのかを知ってもらう努力をし、より良い世の中を作っていくために自分たちに何ができるかを語り合うような双方向の取り組みができたらいいなと思っています。
もともと朝日地球会議は壇上のスピーカーが話すスタイル中心ですが、参加者側も意見を言いたい場合があると思うんです。十分にできるかはわかりませんが、そういった声と声を交わらせていく場を作れたら良いなと考えています。
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今回のイベントにおいてサステナブルを意識した取り組みはありましたか?(結果的にサステナブルにつながったことも含む)
イベントテーマにSDGsが内包されていますので、最初からサステナブルを意識した運営を心がけていました。初めて、イベント実施での温室効果ガス(GHG)排出量を算定しました。ポイントになったのが見栄えとの両立です。空間演出と体験感は直結しているため、繰り返し使えたり、リサイクルが可能な素材での美術施工を考えました。
そのほかサステナブル運営の具体的な取り組みや温室効果ガスの排出に参加者としてどう関わっているのかを可視化するポスターを会場で掲示しました。来場の際に利用した交通機関を、シールでポスターに貼ってもらうアンケートもしました。
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こういった施策は追加でお金がかかると思われがちですが、マイボトル持参、公共交通機関利用の呼びかけなど、お金がかからない方向の施策も数多くあります。
メディアに対する視線が厳しくなっていく中、指摘するだけで終わってはいけません。情報の提供だけでなく具体的な行動に取り組むソリューションジャーナリズムが求められます。こういった取り組みはイベントを楽しんでいたら自然に取り組んでいたという形が良いと思うので、仕組みを整えていきたいです。